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1月&2月 [振り返る&迎える]

《振り返る1月》
新年の図書館でカレンダーGET!☆☆☆☆☆・どんど焼き&道祖神まつり(係り)☆☆☆☆・水道凍結防止コンセント差し込み不備に相次いで気づく(日々勉強)★★☆☆☆・両親の通院付き添い☆☆☆・山講座講演会は百人近く集まることもあり中止に★★★・滑り込みで今年度の健診受ける☆☆☆・Ayu初めての医院にかかる★★★☆☆・ひと月ぶりにまたひとりで温泉へ(贅沢に平日の真っ昼間に)☆☆☆

《迎える2月》
山講座平地散策(ワイナリーだった…山登りは難しい季節)はAyuの通院日と重なり止むなく欠席・ウォーキング参加2件?・集落の新年総会は中止にetc…

道祖神まつり [七十二候&季節の行事]

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毎年1月末に集落で行われる「道祖神まつり」。今までの2回はお参り(お賽銭)してお札をいただく「受け」の立場でしたが、今回はじめて仕切り(係り)の方に《2人担当なので気は楽》。
朝、結構高い幟り(のぼり)を2本立てまして、夕方はみなさんのお参りを待ち、小さめの紙コップにて日本酒をふるまって。
先日のどんど焼きも、この道祖神まつりも、本来は子ども中心に行われるものなのですが、昨今はもう子どもがいません(もう高校生以上に)。

道祖神まつりを周囲に知らせる古ーい太鼓を、私もバチで叩かせてもらいました。なんと「明治三十五年」と墨文字で書いてあって。
…毎年、さまざまな役員決めを新年にするわけですが、それぞれに歴代の紙記録があり、昭和はじめどころか明治~の文字がここかしこでびっくり。古文書クラスに私には見えます(←本当は家に持ち帰ってじっくり見てみたいのですが、元来土地の者ではないので自然なチャンスがあるまで遠慮デス)。
正直、そんなにたくさんのお役はなくていいのになー!と思うのですが、昔からの形をあたり前のように代々続けていくのも貴重(風習?)なのかもしれません。

アナザーストーリーズ 再放送を観た [向田邦子と妹・和子]

昨日朝、BS朝ドラ、陽希さんの番組に続いて偶然出会った。再放送(本放送に気づかなかった)。
突然あらわれ突然去った人〜向田邦子の真実〜』。
家事の最中だったので、横目で見つつ、録画もして、あとでじっくり観た。なかなかよい番組だった。
ほぼ知り得ていることばかりだったけど、妹・和子さんのインタビュー、邦子さん自身の肉声(直木賞受賞時など)etc…、映像込みはやはりインパクトがある。

51歳の若さで才能の発表がSTOPした事実はもちろん至極残念だが、向田さんが伝説の作家となったことも確か。乳癌に罹患したことも大きかった。それだからこそ生み出された作品も多数。遡ると、お父様が亡くなった後だったから寺内貫太郎一家等々~が著せた。
人生、めぐりあわせとタイミング、はある。
後世に残る作品は、実際の命の長さとは関係なく続いていく。凝縮度だよな、と思う。
凡人は長く生きるしか道がないけれど・苦笑。

※先日終了したイベント会場が俯瞰できます。スゴイ
…あらためて、行きたかった。短期間とはいえ入場無料だったことは素晴らしかったと思う《興味ある配信の方は追えていない(観た方いますか??)・中止になった講演も一部あるらしい・勝手に親近感を持っている太田光氏、三谷幸喜氏のは聴きたかった》。

不凍栓と凍結防止帯 [プチ情報♪]

寒冷地の人だけですよね。
私にとっては、こちらに来て初めて知る言葉とその設備。
フトウセン…? なんじゃ、でした。外気温が-4℃以下になると水道凍結が多発するそう。
不凍栓」。冬に水道管内の水が凍らないように《詳細略》。
我が家でいえば、屋外の水場はこれ仕様です(この時期、通常の蛇口を開けては使わない)。
凍結防止帯」。気温が下がってもスムーズに水道が使えるよう、給水配管に巻き付けられたもの。これを機能させるために複数のコンセントを差し込むのですね。そういう電源設備がこのへんではどの家(ウラ)にも、ある。

…で、この冬、まず1Fのトイレや洗濯機の水が出なくなりました。あれあれ、叔母が関東の自宅に戻る冬前にコンセントたちを私自身がくまなくつないだはずなんだけどな。
そうこうしているうちに水道管が破裂したらタイヘン。
よくよく見直すと、これ差し込んでいない? を発見。
1時間半後に放水再開しました~。 

その翌々日でしたか、今度はお風呂のお湯が出ません。水さえも出ません《台所はIHでオール電化風~なのですが、シャワー室の給湯は灯油仕様デス・ガスは一切ナシ》。この日は予定していた入浴はとりやめ。朝明るくなってから外回りを点検するしかありません。
もしやまだ見落としあり? 目を皿にして。これ?
→こちらも無事解決しました。

昨冬もこれくらいのミスは私のことなのでしていたように思います。きっと凍結するほどではなかった(=暖冬)のだと~。

第5回『衿賞』 [勝手に『衿賞』]

評伝・河野裕子

評伝・河野裕子

  • 作者: 永田淳
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2017/04/12
  • メディア: Kindle版

今回は、最近読了したこちら。息子が歌人である母親のことを著した分厚い一冊に(自身も家族みなも歌を詠む)。
次点で、伊藤比呂美さんの『道行きや』。
そして、まだすべて制覇していませんが『神様のカルテ』シリーズ。安定感あり。

…さて、本家の第13回新井賞(ホントウの本家は「芥川賞・直木賞」だけどネ・笑)は、来月刊行の桜木紫乃さん作でした(桜木さんはこれで新井賞2度目)。
桜木さんは『あさイチ』出演でキュートな素顔に触れ、新井さんに強い影響を当初から与えていた作家さんと存じ上げていました。

書店員として有名になった新井さんですが、今は二足のわらじ(文筆活動もあるので3足ね☆)で活躍中。自分のやりたいことはやる、と常識をとっぱらい前進あるのみ。
迷わず正直に突き進む姿(もちろん文章力も☆)、真似できるものではないけれど、みな強烈にひっぱられているはず。
ということで、この本は出版されたら必ず読みます☆
『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』(桜木紫乃著)

没後40年 [向田邦子と妹・和子]

向田さんの特集記事が今朝のA新聞にありました。
1981年に飛行機事故で亡くなり、もう40年とは驚きます。作品が時々、TVなどでお目見えするので20年ぐらいの感覚です。
企画展(監修は妹・向田和子さん)の開催、少し前から知っていましたが、今はどうにも動けません。

BS12での『寺内貫太郎一家 2』はことのほか長編ですね(笑)。2からは新しく谷隼人さん、池波志乃さんらが加わって描かれています。
先日、他番組で作曲家・小林亜星さんのインタビューを拝見しましたが(たしか88歳)、想像以上にお元気でした。
Ayuが『寺内~』を見ていて、「鶴瓶~!」と言いました。眼鏡かけて太っていて重なるのでしょうね。あのお父さん、本当に家族思い。いや、出演者みなそういう設定ですよね。

《以下余談になりますが~》
ひとり暮らし世帯が多い現在ですが、家族いや血のつながらない同居人であっても2人以上で生活することは命を守る意味でも大事なのでは、とこの頃よく考えます。コロナ時代、もしも罹患したらひとり暮らしだと、若い人でもとても心細いですよね。

…ぼちぼちと『家族が罹り、1カ月出勤停止を命じられました』など知人情報(主に賀状より)が複数伝わっています。たいしたことなく終わればまずは…ですが、いずれにせよひたひたと確実に近づいている気がします。 

内澤旬子の島へんろの記 [よんでみました]

内澤旬子の 島へんろの記

内澤旬子の 島へんろの記

  • 作者: 内澤 旬子
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/11/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

内澤さんの新刊(昨年11月刊ネ)は、本来の「らしさ」が復活している。装丁からよい。小豆島へ移住後に遭ってしまったストーカー経験の恐怖はまだ残っていると思うが、それにしても明るい感じの本が出て、私も勝手に安堵しています。

今は冬。寒い。そして雪道。ましてや外出が推進されず。私は、お天気のいい日中に長めの歩き(散歩ウォーキング)が今、一番したい。県内の道案内に困らないなら(私はもちろんまだまだ、だ)、ドライブでもいい。どこかへ行きたい。そういう私にちょうど合った内容でした。
この本は小豆島での、ひとりお遍路記録。本業の合い間を見て(ヤギの世話もある・詳細略)何度にも分け、順序もこだわらず。88カ所回りきるのに2年弱かかったそう。
ぶつかる悩みが私と一緒☆ まずは家から乗ってきた車をどこに駐車するか問題。そして地図等あれど、もしや道に迷ったのでは?問題《そこはスマホの位置情報で著者はクリアしていく:私もウォーキング中、あれ?という時は最後、Myガラホを起動するのだ》。

【私自身は人が集まるところが苦手~】
ああ、これも同感。
【(住職より)「遍路をするなら、歩き遍路がいいですよ。そしてやっぱりひとりでいくのが一番いいです」】
基本的には霊場巡礼は組織的に行われてきたそう。でも、私も歩くのはひとりがいい。関係のない余計な話はしたくない。その時間を大事に、無心に景色だけみながら一歩一歩自分のペースで進みたい。ただし、どの方向に歩いていくかは自分の責任。こっち?あれあっち?の相談はできない。大きな壁はそこだけ、と思う。
【ひとりでお遍路巡礼する。しかも徒歩で。それは私の気持ちの中では、とてもしっくりすっぽりバッチリ嵌まる行為。歩くという単純反復運動とともに、頭の中を空っぽにしたいともがくもよし、人智の及ばない大きな存在に、思いを馳せてみるのもよし。ひとりであるからこそ、自由にできる。そもそも団体行動も組織も苦手で、ひとりでいることは全く苦にならない。】

【(住職)「私は遍路する人には白装束をつけることを勧めています。普段着でも構わんのですが、住宅地の路地を歩く時に、不審者と間違われずに済むから」】
納得。そういうことかー。
【必ずしもフル装備である必要はないが、形から入ると背筋も伸びる。】

だいぶあとになって、「車をA駐車場に置き、そこから歩き、その日目的のゴール地点BからバスでAへ戻る~」から、アドバイスを得て「まずゴール地点のBに車を止め、バスでスタートのAへ行き(戻り)、Bを目指して歩く。そうすると帰りのバス時刻を気にしなくてよい(到着時刻をハラハラと案じなくてよい)」という名案に気づく。やり方、だよなぁ~♪

おわりに、より。
【今年の春からはcovid-19の世界的流行で、人類全体に移動制限がかけられるという大変深刻な事態に陥っているのであるが、私自身の移動欲に限って言うと、さほど困っていないのだった。】
都内にいる時は、海外を旅することばかり考えていた。小豆島で生活するようになり、手放しで居心地がすべてよいとは言えないけれど(よそ者としての肩身の狭さ、面倒なトラブル、不便さもある…)、景色だけは別だと。海も山もどこもかしこも絶景だらけだと。
そうだよなー、私も(海はないけど・苦笑)。毎日、山景色に救われています。永遠に飽きない。
内澤さん、正式なガイドとして『小豆島遍路案内』を早く出してください
行きたいよー、歩きたいよー、そんな小豆島へ(「二十四の瞳」、実は未読です…)。

安野光雅さん [本]

蚤の市

蚤の市

  • 作者: 安野 光雅
  • 出版社/メーカー: 童話屋
  • 発売日: 1983/10/03
  • メディア: 単行本

あの美しい絵の新作はもう見られないのですね。
小さい頃から親しんできた安野光雅さんのイラスト。ご自身の著作にとどまらず、幅広く装丁に使われてきました
『蚤の市』には某書店にて目の前でサインしてもらいました。1983年10月29日のこと。
↑ 刊行直後、ですね。美しい筆文字(たて)です。


ふしぎなえ (安野光雅の絵本)

ふしぎなえ (安野光雅の絵本)

  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1971/03/01
  • メディア: 単行本

ふしぎなさーかす (安野光雅の絵本)

ふしぎなさーかす (安野光雅の絵本)

  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1981/04/30
  • メディア: 単行本

↑ これらの絵本で出会ったと記憶しています。未だにトリック(錯覚)を用いた手法が好きなのは、すべてこれがスタート《いずれも『こどものとも』で1971年が初版》。


旅の絵本3 (安野光雅の絵本)

旅の絵本3 (安野光雅の絵本)

  • 作者: 光雅, 安野
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1981/11/01
  • メディア: ハードカバー

「旅の絵本」はその後続きましたが、私が持っているのは1~3。
…しばらくは我が家にある安野さんの絵を手にとって眺めてしまいそう。

今年の壁カレンダー [プチ情報♪]

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【2020は ↑ 切手をあしらったカレンダーがお気に入りだった】

3DKの団地住まいから叔母の一軒家に同居で部屋数が増え、カレンダーをいただくと重宝するようになりました(どのお宅も昔のように黙っていても集まってくる時代でなくなったと思う)。

『切手』が好きな私は、去年は郵便局のカレンダー(トイレに・笑)に癒されており、今回も同類のを狙っていたのですが、タイミング悪し?で入手出来ずガックリ。
居間用など12月になっても新しいカレンダーは用意されず、年が明けたらちゃんと「買う」か~?(笑)と考えていました。

1月5日。今年の図書館開館初日に返却&予約の受け取りに行ったら、玄関に『ご自由にどうぞ☆』と大きな段ボールにたくさんのカレンダーが。窓口で「複数いただいても構わないですか?」と一応お断りし、嬉しくGETしてきました。地元JAならではの写真の入ったもの、近場の中小企業の名入りのものなど《雑誌新年号の付録もあった》、お金を出しても買えない地域密着カレンダーに狂喜乱舞(←大ゲサ)。
来年もこの日を狙おう♪

妻がどんどん近くなる [河野裕子(かわの・ゆうこ)さんと家族]

今朝のA新聞「喪の旅」に永田和宏さんが。早くも10年。「妻がどんどん近くなる」と。
姿を現実に失っても、一番大切な心に、在る。ましてや作品は家族にはもちろん、他者にも響き続ける。新しい読者さえ呼ぶ。

2度目のどんど焼き [七十二候&季節の行事]

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コロナ禍での「どんど焼き」、今回は簡素化しました。あまり「高く」しない
ほんとうは夜、あらためて火をつけるのだけれど、もう昼のうちに済ましちゃう
係りの私は、お神酒をちょっぴり振る舞う役回り。
それでも男衆はあっという間に準備し、女性陣がこの日だけは(笑)家から出てきて「まゆ玉」をあぶっていました。無病息災を祈り、ですよね。収束を願いつつ。

月末には、「道祖神まつり」(これも係り)でまたご近所と交流予定。
それらすべてが通常より簡単に~《会食はしない》の方向となっています。
全国どこもそうなのでしょうね…。

あたたかさを求めて [ネコ]

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叔母が居ない間、私と添い寝してくれるネコちゃん。毎晩一緒です。
】毛布の柄に埋もれ、つい踏んでしまうことも(ごめん)。さてどこでしょう??

寒さ厳しい折り(家の廊下でハーと息をすると白いのよ)、台所ではストーブとエアコンの両方をONにするこの頃。
】My家ネコちゃん、温かい風はどこから来るかよ~くわかっています。

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玄関前はのらネコきょうだい3匹。我が家を含め、近所の3軒をグルグルしておねだりしている模様。
各々の家で違った名で呼ばれているのでしょうね。

再放送も明日でおしまい [純情きらり]

『純情きらり』ファンのみなさま、本日は夕方の放送はありません(「緊急事態宣言」関連ニュースのため」)。そして、明日ラスト3回分をもって終わりです。16:05~から一挙に、ですので、お間違いなく。
…来週は初場所中継が始まりますので(2週間)急な報道で中止になっても、絶対に今週で終わりにさせる、とみていました。
また泣くだろうな…。

では次の、夕刻朝ドラは何を? 25日(月)からは『花子とアン』だそうです。2014年ですから、比較的最近の再放送ですね。
伊原剛志サン、再び室井滋サン、窪田正孝クン、賀来賢人クンetc…がまた楽しめますね。
内容的には好き☆だったので《脚本は「中園ミホ」さんだ》、季節労働者(笑)の私は今はフリー、またハマるでしょう。

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【久しぶりに登場のAyu・作業所に出かける前、室内で(寒いので今は外のベンチでは待ちません)】

高橋源一郎さんのインタビュー力 [ラジオ]

「聴き逃し」(8日まで配信)で。元旦放送のラジオ『高橋源一郎の飛ぶ教室』、すごかった。おもしろかった。
数えで100歳になるという瀬戸内寂聴さんへの電話インタビュー。瀬戸内さんもしっかりしておられたが(私的には油が抜けてちょうどイイ感じ)、インタビュアーである高橋さんの的確さにあらためて感心してしまった《70歳になったばかりだそうだが、このエネルギーやなんだろう》。
この番組では常連の、伊藤比呂美さん、英在住のブレイディみかこさんヤマザキマリさん(低温のドスがさらに重厚☆)、を交えてのトークも秀逸(津島佑子さんの話もちらと出ていた~)。

この女性たち、みな連れ合いは外国人という共通項あり。高橋氏同様、私もそれには気づいていなかった。そんなこと、どうでもいい。魅力的(でいい意味で強烈)な3人であること、がまずだ。つけ加えるとすれば、国内に留まっていない世界観《+国外からの日本観》を持っている、ということか。

コロナ禍で欝々としがちな時に、メンタルの栄養はどこからとっていたか?で、生協のカタログやロイヤルホストのメニューを見ていると(日本の味の想像・いつか食べるゾーと)救われた~というエピソードも興味深かった。食べ物(食欲)が結局は永遠かなー。

ブレイディみかこさんの落ち着きにあらためて惚れ惚れする(同い年なので…)。

評伝・河野裕子 たつぷりと真水を抱きて [河野裕子(かわの・ゆうこ)さんと家族]

評伝・河野裕子:たつぷりと真水を抱きて

評伝・河野裕子:たつぷりと真水を抱きて

  • 作者: 永田 淳
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2015/08/18
  • メディア: 単行本

私は歌人「河野裕子さん」を表面的にしか理解していなかった。息子が著したこの厚い本(寝っ転がってでは読めなかった!)でようやく把握しようとしている。

…しばらく永田和宏さん&河野裕子(かわのゆうこ)さん夫婦、そして同じく歌人である長男(この本の著者「淳」さん)・長女「紅(こう)さん」の家族から私は遠ざかっていた。
師走に入った頃、自分のblogを遡っていて、急に関連書を読み広げたくなった。
私は未だにガラケーとスマホの間のガラホ族なため、スマホで記事がどう見えているのか?不明なのだが、興味を持ってくれた方にはできればPCで右欄のカテゴリーから「河野裕子さんとその家族」をスクロールして眺めて欲しい

以前、NHKの再現ドラマなどから、闘病中の河野さんの精神状態は激しかったことを知った。当然だろう、普段は穏やかな方が死がちらつく病を得て正常心を失ったのだ…と安易に受けとっていた。
いや、河野さんは幼少の頃から、男まさりの気性だったのだ。強い。いつでもはっきりしている。きっと『夫である永田さん』よりも(※詳細はカテゴリー内を参照)。
そして精神が昂ぶりやすい性質を元来持ち合わせていた。

息子である永田淳さんが、母方の家系のことからまず触れている。「家族」そして「幼い頃の記憶」は河野さんにとって、永遠に詠み続けた題材であった。よくここまで活字におこしたと思う《それは向田邦子さんの妹・和子さんが(自らの責任を持って正確に)姉の恋模様などを公表し、より真の作家の姿をとらえてもらおうとした読者への誠実さと同じだ》。

【とにかく「欲しいと思ったらどんなことがあってもみんな自分のものにしてきた。ほんとうに心をこめてそれを願ったときだけは、不思議に自分のものになったのである」(『森のように獣のように』あとがきより)といった性格である。】

【母は私の連れ合いに、幾度となく「男は3回脱皮します」と言い続けていた。言わんとするところは、若いころの男は幼稚だが、年を経るに従って、あるいは壁に直面しそれを乗り越えるたびに、脱皮しながら成長し強くなっていくんだ、脱皮を繰り返すたびに強く逞しくなっていく、だから現状の息子(つまり私である)だけを見て評価しないでほしい、そんなことが真意であったのだろうと思う。】

【私が成人するまでで一番本を読んだ時期がおそらく、このアメリカ時代である。母同様、日本語に飢えていたのかもしれない。土曜日ごとに日本語学校で図書館から本を借りてきては読んでいた】(妹・紅さんも)
アメリカの自由な気風や文化を摂取し、傾倒しながらもやはり母は抜け難く大和言葉を愛し続けたのだろうという気がしてならない。】
アメリカでの生活経験は、家族4人にとって大きかった。それは河野さんのエッセイにも瑞々しく書かれていた。

しつかりと飯を食はせて陽にあてしふとんにくるみて寝かす仕合せ】(歌人の後輩の世話)
おせっかいなところもあった。面倒見がよいというか、自分以外のことで働いた。
…この句は、母親である者ならみな共感できると思う。

【歌人として死にゆくよりもこの子らの母親であり君の妻として死ぬ】
息子と娘そして夫にとっては、ふつうの生活する母親(妻)であった。戦後もっとも注目を浴びていた女性歌人という以前に。

息子のことを。
【どこでどう暮らしてゐるのか生野菜むさぼり食う顔難民めきて】
俵万智氏からは、母・河野より「子どもはいくつになってもそのときが一番かわいいのよ」と言われたと聞いた。当時、大学生だった著者(淳)はほとんど家に帰らず、だったそうだが。

乳癌になった時、世間への公表はしない(まずは伏せておく)というのが夫の考えだった。のちにそれは杞憂に終わったそう。
【~病を包み隠した母の歌など読みたくはなかった、と思うのである。そのような歌は間違いなく「濁った」歌であったろう。】
その通り☆

【今ならばまつすぐに言ふ夫ならば庇って欲しかつた医学書閉ぢて】
→歌は詠むが、本来は理系の夫。こう正直に言える河野さんが私は好き。

【風呂の蓋洗ひながら歌ふ歌もなし夫や子遠し彼ら働く】
→自分だけ具合が悪くて家にいる。みなは外で働いているのに。孤独感も募った。

印象深いのは、両親が世間から結婚をまだ許されない若い頃に授かった子をあきらめた事実を書いていること《著者は勝手に兄、と解釈しているそう》。
20歳の頃、自分に恋人ができた際、父親から聞かされたそうだ。自分たちのような苦しみにあわぬよう忠告したのだろう。黙っていることもできただろうに、親としての苦い経験をきちんと伝えた家族(この若かりし件については母当人の句も残っている…)なのだ。

あとがきより。
【~しかしそれでよかったのだと思う。こうして書く機会を強制的であれ与えられたことで、もう一度母を私の中に定位できたと感じている。】
自身も出版社代表である著者が、白水社の編集者に絶対に刊行すべき~と押されてこの本が誕生した。

河野さんが亡くなってから、存在を知った口である。私は。恥ずかしながら。でもこういう出会いが多いのも事実かと。森まゆみさんも、作家が忘れられないためには(亡くなってから)早くに動く(書として刊行)ことが重要~と読んだばかり

亡くなって昨年がちょうど10年だったのだ。時間は経ったのだな(本書は逝去3年後刊・これだけ整理したのだから早い☆)。
河野さん自身によるエッセイを早く読みたくてたまらない。
《そして仁和寺あたり(また京都に)をいつか訪ねたいとたくらんでいる私。》
→《第5回衿賞

本とあるく旅 [森まゆみさん]

本とあるく旅 (わたしの旅ブックス)

本とあるく旅 (わたしの旅ブックス)

  • 作者: 森 まゆみ
  • 出版社/メーカー: 産業編集センター
  • 発売日: 2020/08/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

【地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を編集していた26年間、いちばん多い問い合わせは詩人・立原道造のお墓はどこにあるんですか、だった。~なんとファンが多いのだろう。】
これにはびっくり。人気あるのだなぁ。もちろんヒヤシンスハウスのことも書いてあった。引っ越す前にここに行かなかったことは悔いが残っている。いつかきっと☆(さいたま市の別所沼公園内

三島由紀夫は私が中学くらいのときに超スター作家で、はじから読んだ。】
森さんもそこを通過したのか~。
…山田風太郎氏が亡くなったあと、同氏に関する本を出す。
亡くなった作家が忘れられないためには没後すぐ、騒がないといけないからである。】
このような第三者の行動があって後世に生き残ってきた文学者はたくさんいるし、その動きがなかったばっかりに埋もれた人々もいる、ということである。この本では再三、そのことが書かれていた。

【京都に行くなら京都の本を、沖縄に行くなら沖縄の本を、現地で読むとすっと身体に入る。でもミスマッチも時々はいい。~フランスのルマンで『コンビニ人間』を読んだり、上海でラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』を読んだり、モロッコで時代劇のチャンバラを読んだりするのもいい。】
うん、ミスマッチいい。
この人の本を読むと無性に旅がしたくなる

結婚というのは凄まじい異文化コミュニケーションである。】
たくさん読んできたから、著者の元夫(北海道出身)に関する文章は熟知している。
そうだよなー、異文化だよな。寄り添って、折り合って、あまりいい言葉ではないが妥協していくのが結婚生活なのだろうなー。
全然関係ないが、コミカルといえど『逃げ恥~』もそういうことを描いているのだろうね(本日スペシャルを録画で観たばかり)。

久しぶりに紅白を観た [テレビ]

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あけましておめでとうございます。本年も『衿Diary』に時々お寄りください。

2018年盛夏に東京から信州(叔母のセカンドハウス)に移住して、3度目の年越し。こちらでは初めて市販のおせち(特にこの地のものではなく、某全国デパートのをネットで)を注文。
ベッドから離れられなくなった父に見せたい、が一番。父ほどでないが足腰が弱くなり、私の車に乗り込んでの移動しか外出方法はなくなった母が、むしろ華やかに並んだおせちを欲したかも。
もちろん、かまぼこやいくらやらをこまごま買ってくるなら(作らないのかい!)、いっそこれONLYで数日はラクしようという私の魂胆も。

さて、私とAyuの2Fの自室にTVを置かなくなり、2度の冬はナマで紅白を観ることから遠ざかっていました(Blu-rayに録るのですが、それでは早回しとなり観たうちに入らず)。今回はウラでBS12が大晦日にかかわらず、『寺内貫太郎一家 2』を通常放映のため、そちらを録画し、紅白はオンタイムで観るしかない、と。 

日常のパターンを壊したくない娘《ダウン症候群のAyuですが、自閉傾向も持ち合わせている部分ありとみています》に数日前から対策。
「居間で紅白観ようねー、お酒(ノンアルコールの梅酒☆)と美味しいおつまみ用意してねー!」と声掛け。
成功しまして、最初から最後まで他の局に一切ザッピングすることなく視聴(一部睡魔に襲われたのは私の方です)。
お祭り騒ぎのザワザワより、ずっと見やすかった。ただそう思いました。

…ゆうべは毎回ハマっている『芸能人格付けチェック』もナマで。2晩連続でAyuを納得させて。
とゆーか、もう録画はできる限り避けようと。空きもない、時間もあらためてもうけられない、ですし。
今晩から夜はMy roomで静かに過ごします♪

《元旦早朝は、昨年も聴いていたNHK FMの『元旦吉例!弘兼北原熱血音楽対決』がよかった。9年!?続いているとか。8日まで聴き逃し、あります!》

…嗚呼、また降り始めました。この冬、私の近所から雪が消えることはなさそうな予感。