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美徳のよろめき [よんでみました]

美徳のよろめき (新潮文庫)

美徳のよろめき (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1960/11
  • メディア: 文庫

“よろめき”という流行語を生んだ。
【微妙な自尊心の心の痛みが節子を刺していた。今夜はじめて、彼女は自分の感情の打算を感じた。土屋が恋している以上に恋してはならぬという打算。今まで節子はこんな調整の必要を感じたこともなかった。しかし今夜は、土屋が、彼女が当然妥当だと思っている感情の高みにまで登って来ようとしないのにいらいらした。】
【節子の心には秘密を入れておく抽斗がそう沢山なかった。一つの新らしい秘密が生れると、前の秘密を蔵っては(ほっては)おけなくなった。】
どういう落としどころで話が終わるのか、と思って読んでいた。
日が経つと(苦笑)、どういう終結だったか、メモを見ても思い出せない、、、。

解説より。
【(谷崎潤一郎とよく似ている点として)日本には珍しい耽美主義的作家だという点、作家としての生活態度、才能の広さ、作家的自信の強さ、世上に持っている愛読者層の揺るぎなさ…。
“不貞の妻”を魂のエレガンスという美徳の金貨へとみごとに錬金してみせる。】
普通に読むと、相当な妻だ、これは…。
作風、私は「夜会服」の方が好き。
ポツポツと三島は読んではきたが、また思い出したように借りるか。
なぜこんな飾った言葉ばかりのオンパレードなのに、キザにならないのだろうと、時々その魔力に会いたくなる。
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