森のやうに獣のやうに [河野裕子(かわの・ゆうこ)さんと家族]
《ここからしばらくは昨年読了済みで未記録だったものを~》
「活字」の感じのよい本でした。昭和38~47年。著者が17~25歳という初々しい時期の歌集です。
今までに転記した歌以外より。
【光ある教室の隅の木の椅子に 柔らかくもの言ふ君が座りをり】
【誰からも知らされてゐぬ病名を 不意に虞(おそ)るる雑踏の中】
【陽にすかし葉脈くらき見つめをり 二人のひとを愛してしまへり】
【われよりも優しき少女に逢い給へと 狂ほしく身を闇に折りたり】
【君がもつ汗水のにほい髪のにほいがかぎわけて初夏に入りゆく】
2017-01-11 20:30
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