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内澤旬子の島へんろの記 [よんでみました]

内澤旬子の 島へんろの記

内澤旬子の 島へんろの記

  • 作者: 内澤 旬子
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/11/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

内澤さんの新刊(昨年11月刊ネ)は、本来の「らしさ」が復活している。装丁からよい。小豆島へ移住後に遭ってしまったストーカー経験の恐怖はまだ残っていると思うが、それにしても明るい感じの本が出て、私も勝手に安堵しています。

今は冬。寒い。そして雪道。ましてや外出が推進されず。私は、お天気のいい日中に長めの歩き(散歩ウォーキング)が今、一番したい。県内の道案内に困らないなら(私はもちろんまだまだ、だ)、ドライブでもいい。どこかへ行きたい。そういう私にちょうど合った内容でした。
この本は小豆島での、ひとりお遍路記録。本業の合い間を見て(ヤギの世話もある・詳細略)何度にも分け、順序もこだわらず。88カ所回りきるのに2年弱かかったそう。
ぶつかる悩みが私と一緒☆ まずは家から乗ってきた車をどこに駐車するか問題。そして地図等あれど、もしや道に迷ったのでは?問題《そこはスマホの位置情報で著者はクリアしていく:私もウォーキング中、あれ?という時は最後、Myガラホを起動するのだ》。

【私自身は人が集まるところが苦手~】
ああ、これも同感。
【(住職より)「遍路をするなら、歩き遍路がいいですよ。そしてやっぱりひとりでいくのが一番いいです」】
基本的には霊場巡礼は組織的に行われてきたそう。でも、私も歩くのはひとりがいい。関係のない余計な話はしたくない。その時間を大事に、無心に景色だけみながら一歩一歩自分のペースで進みたい。ただし、どの方向に歩いていくかは自分の責任。こっち?あれあっち?の相談はできない。大きな壁はそこだけ、と思う。
【ひとりでお遍路巡礼する。しかも徒歩で。それは私の気持ちの中では、とてもしっくりすっぽりバッチリ嵌まる行為。歩くという単純反復運動とともに、頭の中を空っぽにしたいともがくもよし、人智の及ばない大きな存在に、思いを馳せてみるのもよし。ひとりであるからこそ、自由にできる。そもそも団体行動も組織も苦手で、ひとりでいることは全く苦にならない。】

【(住職)「私は遍路する人には白装束をつけることを勧めています。普段着でも構わんのですが、住宅地の路地を歩く時に、不審者と間違われずに済むから」】
納得。そういうことかー。
【必ずしもフル装備である必要はないが、形から入ると背筋も伸びる。】

だいぶあとになって、「車をA駐車場に置き、そこから歩き、その日目的のゴール地点BからバスでAへ戻る~」から、アドバイスを得て「まずゴール地点のBに車を止め、バスでスタートのAへ行き(戻り)、Bを目指して歩く。そうすると帰りのバス時刻を気にしなくてよい(到着時刻をハラハラと案じなくてよい)」という名案に気づく。やり方、だよなぁ~♪

おわりに、より。
【今年の春からはcovid-19の世界的流行で、人類全体に移動制限がかけられるという大変深刻な事態に陥っているのであるが、私自身の移動欲に限って言うと、さほど困っていないのだった。】
都内にいる時は、海外を旅することばかり考えていた。小豆島で生活するようになり、手放しで居心地がすべてよいとは言えないけれど(よそ者としての肩身の狭さ、面倒なトラブル、不便さもある…)、景色だけは別だと。海も山もどこもかしこも絶景だらけだと。
そうだよなー、私も(海はないけど・苦笑)。毎日、山景色に救われています。永遠に飽きない。
内澤さん、正式なガイドとして『小豆島遍路案内』を早く出してください
行きたいよー、歩きたいよー、そんな小豆島へ(「二十四の瞳」、実は未読です…)。