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向田ドラマ [向田邦子と妹・和子]

火曜に向田邦子ドラマ、やってますね。ハマってます。かなり恐しく、いつも通りくすっと笑えるところもあり。
前に録画していた、向田さんと猫のマミオの番組もこの休みに見ました。みな知っているエピソードばかりだったけど、こちらもよかったです。

この一週間の休みは、まれにみる充実、でした。前半は、妹たちと遊びつつ、気になる用事も済ませました。Ayuとの外出も出来(うまい具合に2人の休みが重なった)、来客が去ったあとはテレビでゆっくり高校野球を見、球場でプロ野球観戦もし、とどめはMy不要図書を業者に初めて引き取ってもらいました(4箱)。だいぶ本棚が空きました。

Ayuに続き、私もきょうから仕事再開、残業でスタートしました。
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向田邦子 最後の炎 [向田邦子と妹・和子]

向田邦子 最後の炎 (中公文庫)

向田邦子 最後の炎 (中公文庫)

  • 作者: 小林 竜雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 文庫

【(乳癌を患い)「その時に私は明るく人生を過ごすことができるのか、人様を笑わすようなものが書けるのか、正直いってまったく自信がございませんでした。また、生きられることもちょっと自信がありませんでしたけれど、それ以上に普通の気持ちになってものが書けるのかどうか、本当に頼りない気持ちでした」】
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向田邦子シナリオ集 5 寺内貫太郎一家 [向田邦子と妹・和子]

寺内貫太郎一家―向田邦子シナリオ集〈5〉 (岩波現代文庫)

寺内貫太郎一家―向田邦子シナリオ集〈5〉 (岩波現代文庫)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/08/18
  • メディア: 文庫

巻末より。
【父はもう死んじゃったから、文句をいわれる心配がない。母はまだ健在でしょ。(略)
母が先に逝ってましたら、きっと母のことを書いていたと思うんですよ。】
シナリオより、小説の方がよかった感。
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向田邦子全集 新版 別巻2  [向田邦子と妹・和子]

向田邦子全集〈別巻2〉向田邦子の恋文・向田邦子の遺言

向田邦子全集〈別巻2〉向田邦子の恋文・向田邦子の遺言

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/04
  • メディア: 単行本

『向田邦子の恋文・向田邦子の遺言』
生誕80周年記念出版の「向田邦子全集 新版 全13巻」もこれがラスト。この巻は、邦子さんに関する資料ではあるが、和子さんの作によるもの、といっていいだろう。
向田さんがかわいがった9歳離れた妹・和子さんが著した、姉の恋人の存在を公にした「向田邦子の恋文」、そして「向田邦子の遺言」は、単行本で既に読んでいたが、それでもひきつけるもの・考えさせるものがあった。そして、私は妹・和子さんが書く文章もとってもいい、とあらためて思った。
【どこで命を終るのも運です。体を無理したり、仕事を休んだりして、骨を拾いにくることはありません。】
この一言に、向田邦子のいさぎよさのようなものがあらわれていると思えてならない。

【死の2年前、N氏(邦子の恋人・カメラマン)は脳卒中で倒れ、足が不自由になり、働けない状態にあった。私がそのことを知ったのは、姉の死から20年経った平成13年の夏、姉の“秘め事”を自分の責任において公開した方がいいと決めたからである。NHKの衛星放送が没後20年のドキュメンタリー番組をつくり、そのなかで紹介された。番組のスタッフが調べてくれたところ、N氏は自ら死を選んだという。】
N氏が亡くなったのは昭和39年2月のことである。そして、この10月に、向田さんは実家を初めて出て独立する。34歳。東京オリンピック開会式の日にアパートを探している。もちろん、この時、数カ月前に最愛の男性を亡くしたことを家族は一切知らなかった。すべてわかったのはずーっとずーっとのち、本人が亡くなったあとのことなのである。

私は2度読んで、N氏はかいがいしく世話をする向田さんを愛するがゆえに死を選んだのだとわかった。
もちろん向田さんの哀しみは大変なものだったろう。誰にも打ち明けず、ひとりで苦しんだと思われる。
でもN氏は、これ以上向田さんの重荷になってはいけない、と判断した結果だったのだ。
死の前日のN氏の日記は普通だ。それまでの日記と変化はない。
N氏には妻子がいたが、病もあり、すっかり家族と暮らしは別になっていた。N氏宛てに向田さんが差し出した手紙の束が、亡き向田さんのマンションに保存されていたが、それはN氏の母親が向田さんに託したものだった。そのことからもN氏の母が2人をあたたかく見守っていたことがわかる。

昭和44年に向田さんは実父(64歳)を亡くした。
【(母・せいさん)もしお父さんが生きていたらどんなに(活躍を)喜んだかと思うんですけど、お父さんがいたら邦子も『父の詫び状』は書けないし、『寺内貫太郎一家』もできなかったねって、みんなで笑うんですよ。】
家族が遠回しにでもモデルになっているということは、そういうことなんでしょうね。特に厳格なお父様のようでしたから。
母・せいさんが邦子さんについて語られている文章は今回初めて読みました。一昨年の秋に100歳で大往生されましたね。邦子さんは享年51歳。お母様は早くに邦子さんを亡くし、無念だったことでしょう。
でも、邦子さんが遺言(といっても正式なものでなく、手紙のような。)した通り、娘・和子さんがいつも一緒にいて、穏やかな晩年だったことと思います。
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向田邦子シナリオ集 6 一話完結傑作選 付全作品解説・年譜 [向田邦子と妹・和子]

一話完結傑作選 付全作品解説・年譜―向田邦子シナリオ集〈6〉 (岩波現代文庫)

一話完結傑作選 付全作品解説・年譜―向田邦子シナリオ集〈6〉 (岩波現代文庫)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/09/16
  • メディア: 文庫

東芝日曜劇場等で放送された一話完結ものを収録。
「母の贈り物」って、少し前にリメイクされてやっていましたね。あまり真剣に見ていなかったのですが、その時のストーリーは今回読んだものと完全一致!でした。
当時(1976年)は、結婚を控えた娘役が松坂慶子さん、そのフィアンセに林隆三さんですから、時代を感じさせます。

ところで、この岩波現代文庫のシナリオ集、全6巻ものなのですが、なぜか私の住む地域の図書館にはこの最終巻のみ所蔵しておらず、いつものネットから予約ではなく、窓口のリクエスト用紙でお願いしました。そして、いやに早く入荷の連絡があったなぁと思ったら、他区から借りて用意してくれたものでした。
まぁ、この6巻目はいわゆる代表作の長編はおさめられていないのではありますが、そのあたりを吟味して図書館の方針で購入しなかったのかもしれません。全巻揃っていないなんて利用者としては気持ち悪いなぁ、刊行ラインナップをプロとして見落としているのでは? と思ってしまいますが、都内図書館同志で協力し合って貸借し、予算削減に努めている事情かもしれませんね。。。
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向田邦子シナリオ集 4 冬の運動会 [向田邦子と妹・和子]

冬の運動会―向田邦子シナリオ集〈4〉 (岩波現代文庫)

冬の運動会―向田邦子シナリオ集〈4〉 (岩波現代文庫)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/07/16
  • メディア: 文庫

1977年に東京放送(10回)で放映。このオリジナルビデオ・DVDは販売されておらず、「幻の名作」とされている。
主人公の青年・菊男は「根津甚八」。しかし、2001年には岡本健一で舞台化、2005年には新春ドラマとして田渕久美子脚本・岡田准一で32年目のリメイクをされたそうだ。うーん、見たかった。
藤田弓子さんが、またいい味です。配役、すごいですね。菊男の祖父が志村喬さん、菊男が足繁く通う靴屋さん夫婦は大滝秀治さん・赤木春恵さん。市原悦子さんも出てくるし、常連いしだあゆみさんらも。
万引きした過去を持つ青年は、それがきっかけで父とうまくいかなくなり、他にあたたかい家族(居場所)を求めます。最後は、自分の本当の家族もみなそれぞれ事情を持ち、それが判明してしまうことで元に戻ります。
その後の靴屋さん夫婦がどうなったか気になりますが、そこで話は終わりです。
キャスト
「冬の運動会」というタイトルでしっくりくるのか、は「?」でしたが(私は本当の「運動会」の話だと思っていた)、この一連のドラマシリーズが「冬」がタイトルにつく「冬シリーズ」として存在していたことによる、ようです。

私は今、この向田シナリオを通勤電車で読むことに救われています。そこだけは魂が浄化されます。
そういう時間が一日のうちわずかでも存在することに感謝しています。

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「八咫烏」…日本サッカーの守り神、ですね。
先日、和歌山物産展でもとめました。サイダーのステッカー。
サッカーより野球の我が家ですが、ここはもちろん突破してもらいたいです。
かわいい瓶ヤタガラス
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向田邦子シナリオ集 3 幸福 [向田邦子と妹・和子]

幸福―向田邦子シナリオ集〈3〉 (岩波現代文庫)

幸福―向田邦子シナリオ集〈3〉 (岩波現代文庫)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/06/16
  • メディア: 文庫

このシナリオ集全6巻は、どれも500p以上。脚本なので、下の方の行間はあるわけですが、それにしても長さを感じさせない充実度です。読んでいる間は、どっぶり浸かっています。
これは東京放送(TBS)で放映されたそう。
竹脇無我さんがメイン(主人公)では、ある。もちろん無口な役。得だなーと思います。それ以上に周りがすごい。
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複雑な家族模様がありますが、ラストにはこれが「幸福」…とひたひた感じさせます。
妹役には、また岸本加世子さん(語り、も同じく)。
そうそう、私はこのTVで演じた配役をまず見て、それを想像しながら読みました。映像作品は見ていませんが、私の頭の中ではすべてこの人たちが鮮明にそのロケーションで演じてくれていました。
岸恵子さんに憧れる津川雅彦さん役が、いいです。後半でやっとの出番の山崎努さんもいい味です。
藤田弓子さんもよろしい。
あとがきに、“向田さんは、この作品こそみなに見てもらいたかったのではないか” とありました。
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向田邦子シナリオ集 1 あ・うん [向田邦子と妹・和子]

あ・うん―向田邦子シナリオ集〈1〉 (岩波現代文庫)

あ・うん―向田邦子シナリオ集〈1〉 (岩波現代文庫)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/04/16
  • メディア: 文庫

通勤行き帰り、楽しみました。シナリオ集というのは、脚本家の細かい場面設定の指示もあって、作者の意図がよくわかるのでおもしろいものですね。
仙吉と門倉という「あ・うん」な男同士が主人公。仙吉の娘・さと子がナレーションも担当の設定。
【(さと子)「父といる時の母は暮しにくたびれた39歳の女です。門倉のおじさんと二人の時は、学校の先生みたいです。父と門倉のおじさんと二人の間にいるときは、くだものみたいに瑞々しく見えます。」】
【(さと子)「(恋人と会えない状況)今のあたしは、逢いたいことを我慢するのが、逢わないのが、愛だと思っています。」】
キャスト
80年NHK「ドラマ人間模様」として放映。これを見た記憶は私にありません。
フランキー堺さんはなんとなく知っていました。門倉役は杉浦直樹さんですかー。ふむ。門倉の妻は、岸田今日子さんで、二号さんは池波志乃さん…。さと子役=岸本加世子さんなのが時代を感じます。
これもアーカイブスしかないかな。
向田作品、見たいけれど、時代背景がもう違いすぎてしまったか。BSハイビジョンでやってほしい。右左、帯出ちゃうだろうけれど。
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向田邦子シナリオ集 2 阿修羅のごとく [向田邦子と妹・和子]

阿修羅のごとく―向田邦子シナリオ集〈2〉 (岩波現代文庫)

阿修羅のごとく―向田邦子シナリオ集〈2〉 (岩波現代文庫)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/05/15
  • メディア: 文庫

向田邦子生誕80周年(‘29年生まれ)を記念して昨年刊行が始まった2つの企画。文藝春秋からは「新版 向田邦子全集(全13冊)」、岩波現代文庫からは「向田邦子シナリオ集(全6冊)」。
この、シナリオ集にも手をつけました。1は貸出中だったので、2巻目を。
もー、夢中になって読みました。
『阿修羅のごとく』はNHKドラマで’79年から放送されました。覚えてます、覚えてます、少女だった私にもキョーレツでした、あれは。ほぼ、出演者も覚えています《当時、繰り返し再放送があったかも。その記憶か?!・演出の方はあの「和田勉」氏だったのですね…。》

キャスト
4姉妹とその両親をめぐっての男女のいろいろ。「姉妹それぞれがのっぴきならない問題を抱えている」(文庫うらより)。
いしだあゆみさんねー、そうそう風吹ジュンさん、そして宇崎竜童さん(←私はどうもこの人が好きらしい。役者としても)。
役柄も、宇崎さん演ずる興信所の男が妙にいとおしい(司書の三女・いしださんの相手)。ボクサーの妻・風吹さんも素敵である(この四女が一番“大人”に描かれている気もする)。
まっ、このドラマのことは覚えている方も多いと思うので詳しいあらすじはこれくらいで・笑。

巻末附録より。
向田さん。(鼎談より抜粋)
【~結婚する前に、普通、誰でも自分を産んでくれた親や兄弟とのあいだで実にホットに結びつき合って20年くらい暮らします。それがだんだんつまらなくなってきて、飽きてしまって、恋愛しても孤独だなあとか、男も女も一人で生きていかなくてはならないのだとか、そういうことを知ったときに、肌寄せ合うものが欲しくなってくる。このように自分の家族熱が冷却したときから出発すると、夫婦はうまくゆくのではないか、と私は思うのです。】

ちょっと違うかもしれないけれど、狭い実家に暮らした者の方が、窮屈になって年頃に自然と外に出て行くのかもしれませんね…私談。

巻末の解題にも書かれていましたが、主題はとても重かったりするのですが、その中でも四姉妹が「腹がへっては、イクサはできぬ」などと言いながら、食べ物にぱくついている日常のシーンがよいです。やっぱり、女性ならではの脚本だと思います。

向田作品、どれも再放送して欲しいけれど。BSでひっそりでもいいから。オンデマンドしかないか…。
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向田邦子全集 新版 別巻1 [向田邦子と妹・和子]

向田邦子全集〈別巻1〉向田邦子全対談

向田邦子全集〈別巻1〉向田邦子全対談

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 単行本

『向田邦子全対談』
亡くなるわずか前、同じ作家仲間や脚本関係者と。その後、向田さんの死を受けて、各対談者が一筆寄せています。
その中から、水上勉氏。
【(略)~私は「父の詫び状」をよんでいた。見事な文章だった。~私は~向田さんが小説を書かれたら、現代の都市生活を描くいい作品が出来る気がしていた。テレビの作品の会話の流暢さにも感心していたし、小説となれば、それなりの削ぎ落としも効いて、傑作がうまれると思った。】
『削ぎ落とし』…これが向田さんの魅力の1つだとたしかに思う。
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向田邦子全集 新版 11 [向田邦子と妹・和子]

向田邦子全集〈11〉エッセイ7 男どき女どき

向田邦子全集〈11〉エッセイ7 男どき女どき

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/02
  • メディア: 単行本

『男どき女どき』(エッセイ)+映画記者時代の文章、補遺、年譜。
【自由はいいものです。ひとりで暮らすのは、すばらしいものです。でも、とても恐ろしい、目に見えない落とし穴がポッカリと口をあけています。それは行儀の悪さと自堕落です。~これは裏表であり、紙一重のところもあるのです。~誰が見ていなくても、独りでいても、慎むべきものは慎まなくてはいけないのです。】
お行儀だけではない、精神の問題だと語っています。
向田さんが実家を離れたのは、それほど若い時ではありませんが(東京オリンピックの頃・30歳位)これは実感だったようです。厳しかった父親から離れた開放感は大きかったようですが(この頃、向田さんには一身上の辛い出来事もありました。また別巻2で…)。
ちなみに私にはひとり暮らしの経験がありません。。。

【~前の晩にテレビで見た野球の試合を、朝必ずスポーツ新聞を買ってたしかめる人を、勿体ないじゃないの、お金と時間の無駄使いだといったことがあった。
その人は、私の顔をじっと見て、「君はまだ若いね」といった。「野球に限らず、『反芻』が一番たのしいと思うがね」。】
→これ、目からウロコの言葉です。
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向田邦子全集 新版 9 [向田邦子と妹・和子]

向田邦子全集〈新版〉 第九巻

向田邦子全集〈新版〉 第九巻

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/12/15
  • メディア: 単行本

『夜中の薔薇』(エッセイ)。
【読書は、開く前も読んでいる最中もいい気持だが、私は読んでいる途中、あるいは読み終ってから、ぼんやりするのが好きだ。砂地に水がしみ通るように、体のなかになにかがひろがっていくようで、「幸福」とはこれをいうのかと思うことがある。】
向田さんは、たびたび外国にも足をはこぶ旅好きだった。「ベルギー」がお気に入りだったよう。
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向田邦子全集 新版 6 [向田邦子と妹・和子]

向田邦子全集〈新版〉 第六巻

向田邦子全集〈新版〉 第六巻

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/09/25
  • メディア: 単行本

『眠る盃』(エッセイ)。再読。
付箋が多くついた。
学童疎開中の妹・和子さんのエピソード「字のない葉書」。文句なしにいつ読んでも泣かされてしまう。

【子供の頃の記憶というのは撮(うつ)さなかった写真のようなものである。普段はどこにどう仕舞ってあるのか見当もつかないのだが、ふとしたはずみで焦点が合うと、ポラロイド・カメラのように瞬間に現像焼付がされて目の裏に一枚ずつ出てくる。】

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訃報。
井上ひさしさんが亡くなった。ショック。太宰についての著作はとてもおもしろかった。太宰について本当に愛情があった作、だった。

私は芝居も観にいっていたな。
まだまだ本も脚本も期待されていただろう。
でも、「作」は残るのだから、これからも目にする機会はあるよね、と思う。
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向田邦子全集 新版 5・10 [向田邦子と妹・和子]

向田邦子全集〈5〉エッセイ1 父の詫び状

向田邦子全集〈5〉エッセイ1 父の詫び状

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/08
  • メディア: 単行本

『父の詫び状』(エッセイ)。再読。
これも有名、ですね。


向田邦子全集〈10〉エッセイ6 女の人差し指

向田邦子全集〈10〉エッセイ6 女の人差し指

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/01
  • メディア: 単行本

『女の人差し指』(エッセイ)。
妹・和子さんとの店「ままや」をもててよかった、とあらためて思った。夢で終わらせずに。

今月下旬に別巻2が刊行して、ようやくこの全集は配本終了。
もちろん図書館で借りて(順番待ちして)順不同で読んでいる私だが、“¥”にも“置き場所”にも余裕があるのなら、この全集はMy本棚に並べておきたいものの筆頭かも。
エッセイ、というのはその人の主観が中心に綴られているものですが、どれも向田さんのは「ひとりよがりでない」ものを感じます。それが「才能」というもの? うまく言葉にできません。
でも、早く亡くなったことを考えると、今の私と変わらない齢の作、ですよね。ますます素晴らしく思います。

≪次に、光文社文庫(全9巻)の「新訳シャーロック・ホームズ全集」、「チボー家の人々」(新書・全13巻)あたりも揃えたいな・笑。≫
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向田邦子全集 新版 7・8 [向田邦子と妹・和子]

向田邦子全集〈7〉エッセイ3 無名仮名人名簿

向田邦子全集〈7〉エッセイ3 無名仮名人名簿

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/10
  • メディア: 単行本

『無名仮名人名簿』(エッセイ)。
「マスク」の中の、“「聖夜」ということばを一番感じたクリスマス”のくだりがよい。響いた。
…と、ここにのみ付箋をしていた私。
付いている「月報」(必ず読後してから目を通すことにしている)に、爆笑問題・太田光氏の文章があり(この全集通して担当)、“高校生の時に向田邦子作品を読み、この「マスク」の一節をお守りみたいに思っていた” とあった。
多数のエッセイが収められているというのに、同じ所に感じ入ったのだ。
≪男の人が、その年代に向田さんを手にとるケースもあるのか、、、とも。≫


向田邦子全集〈新版〉 第八巻

向田邦子全集〈新版〉 第八巻

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/11/21
  • メディア: 単行本

『霊長類ヒト科動物図鑑』(エッセイ)。
失礼ながら、私と向田さんの共通点を見つけた。
①「巳年」であること、②【私は性急(せっかち)な上に身勝手なところがあって、気がせくときに前を歩く人がのそのそしていると、非常に腹を立てる癖がある。(引用・笑)】。

【父が亡くなったときも、急死だったこともあり、悲しいより驚きのほうが先にたって、しみじみ涙をこぼす、ということのないままに葬式が終った。
(四十九日が過ぎ)友人たちと京都に桜を見に出かけたとき、いつもの珍味屋へ行き、いつも通りのものを頼み、「このわたも入れて下さいね」こう言って財布を探しながら、私は笑い出していた。このわたを好きな父は、もういないのである。いないのに、ついうっかりして頼んでしまったのだ。
~大笑いに笑いながら、気がついたら私は泣いていた。店の人はびっくりして、私の顔を眺めている。みっともないと思いながら、死んでこんなに日数が立っているのに、と思いながら涙がとまらなかった。】

向田さんは“虫が苦手”だった。
【そんなわけで虫偏のつく字でただひとつ好きなのは「虹」という字だけなのである。】
なぜ「虹」は虫ヘンなのだろう??
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