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向田邦子全集 新版 7・8 [向田邦子と妹・和子]

向田邦子全集〈7〉エッセイ3 無名仮名人名簿

向田邦子全集〈7〉エッセイ3 無名仮名人名簿

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/10
  • メディア: 単行本

『無名仮名人名簿』(エッセイ)。
「マスク」の中の、“「聖夜」ということばを一番感じたクリスマス”のくだりがよい。響いた。
…と、ここにのみ付箋をしていた私。
付いている「月報」(必ず読後してから目を通すことにしている)に、爆笑問題・太田光氏の文章があり(この全集通して担当)、“高校生の時に向田邦子作品を読み、この「マスク」の一節をお守りみたいに思っていた” とあった。
多数のエッセイが収められているというのに、同じ所に感じ入ったのだ。
≪男の人が、その年代に向田さんを手にとるケースもあるのか、、、とも。≫


向田邦子全集〈新版〉 第八巻

向田邦子全集〈新版〉 第八巻

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/11/21
  • メディア: 単行本

『霊長類ヒト科動物図鑑』(エッセイ)。
失礼ながら、私と向田さんの共通点を見つけた。
①「巳年」であること、②【私は性急(せっかち)な上に身勝手なところがあって、気がせくときに前を歩く人がのそのそしていると、非常に腹を立てる癖がある。(引用・笑)】。

【父が亡くなったときも、急死だったこともあり、悲しいより驚きのほうが先にたって、しみじみ涙をこぼす、ということのないままに葬式が終った。
(四十九日が過ぎ)友人たちと京都に桜を見に出かけたとき、いつもの珍味屋へ行き、いつも通りのものを頼み、「このわたも入れて下さいね」こう言って財布を探しながら、私は笑い出していた。このわたを好きな父は、もういないのである。いないのに、ついうっかりして頼んでしまったのだ。
~大笑いに笑いながら、気がついたら私は泣いていた。店の人はびっくりして、私の顔を眺めている。みっともないと思いながら、死んでこんなに日数が立っているのに、と思いながら涙がとまらなかった。】

向田さんは“虫が苦手”だった。
【そんなわけで虫偏のつく字でただひとつ好きなのは「虹」という字だけなのである。】
なぜ「虹」は虫ヘンなのだろう??
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