SSブログ

向田邦子シナリオ集 2 阿修羅のごとく [向田邦子と妹・和子]

阿修羅のごとく―向田邦子シナリオ集〈2〉 (岩波現代文庫)

阿修羅のごとく―向田邦子シナリオ集〈2〉 (岩波現代文庫)

  • 作者: 向田 邦子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/05/15
  • メディア: 文庫

向田邦子生誕80周年(‘29年生まれ)を記念して昨年刊行が始まった2つの企画。文藝春秋からは「新版 向田邦子全集(全13冊)」、岩波現代文庫からは「向田邦子シナリオ集(全6冊)」。
この、シナリオ集にも手をつけました。1は貸出中だったので、2巻目を。
もー、夢中になって読みました。
『阿修羅のごとく』はNHKドラマで’79年から放送されました。覚えてます、覚えてます、少女だった私にもキョーレツでした、あれは。ほぼ、出演者も覚えています《当時、繰り返し再放送があったかも。その記憶か?!・演出の方はあの「和田勉」氏だったのですね…。》

キャスト
4姉妹とその両親をめぐっての男女のいろいろ。「姉妹それぞれがのっぴきならない問題を抱えている」(文庫うらより)。
いしだあゆみさんねー、そうそう風吹ジュンさん、そして宇崎竜童さん(←私はどうもこの人が好きらしい。役者としても)。
役柄も、宇崎さん演ずる興信所の男が妙にいとおしい(司書の三女・いしださんの相手)。ボクサーの妻・風吹さんも素敵である(この四女が一番“大人”に描かれている気もする)。
まっ、このドラマのことは覚えている方も多いと思うので詳しいあらすじはこれくらいで・笑。

巻末附録より。
向田さん。(鼎談より抜粋)
【~結婚する前に、普通、誰でも自分を産んでくれた親や兄弟とのあいだで実にホットに結びつき合って20年くらい暮らします。それがだんだんつまらなくなってきて、飽きてしまって、恋愛しても孤独だなあとか、男も女も一人で生きていかなくてはならないのだとか、そういうことを知ったときに、肌寄せ合うものが欲しくなってくる。このように自分の家族熱が冷却したときから出発すると、夫婦はうまくゆくのではないか、と私は思うのです。】

ちょっと違うかもしれないけれど、狭い実家に暮らした者の方が、窮屈になって年頃に自然と外に出て行くのかもしれませんね…私談。

巻末の解題にも書かれていましたが、主題はとても重かったりするのですが、その中でも四姉妹が「腹がへっては、イクサはできぬ」などと言いながら、食べ物にぱくついている日常のシーンがよいです。やっぱり、女性ならではの脚本だと思います。

向田作品、どれも再放送して欲しいけれど。BSでひっそりでもいいから。オンデマンドしかないか…。
nice!(0) 

nice! 0