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内澤旬子のこの人を見よ [よんでみました]

内澤旬子のこの人を見よ

内澤旬子のこの人を見よ

  • 作者: 内澤 旬子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/08/21
  • メディア: 単行本

1967年生まれ。緻密でユーモラスな画風と独特の視点の文章によるイラストルポに定評。
【地下足袋履いたニッカボッカもね、初めて見た時は、反射的に(略)身体がすくんだけど、成人したら腕にこだわる誇り高き職人だから。怖がる理由も、とくにない。】
老若男女全方位を対象に、こんな感じで人物観察。その鋭さと愛、そして文には今回もうっとり。『ビックコミックスペリオール』連載。

…これでようやく、昨年までの読書記録、完。
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愛に乱暴&路(ルウ) [よんでみました]

愛に乱暴

愛に乱暴

  • 作者: 吉田 修一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/05/22
  • メディア: 単行本

まったく、だらしないなぁ。
感情移入し、厚さにかかわらず、その先が気になって持ち歩く。
≪これから読む人、↓見ないで。≫

最後、周囲に何気なくいた男性2人の言葉に桃子は救われる。
そこで終わっているが、この女性は立ち直って新しくやっていくだろう。
それにしても男はだらしないし、男の母親も子をかばうということはこういうことなのかと思う。
“日記の主が、新しい女なのか桃子のものなのか” がポイント?でしょうか。


路(ルウ)

路(ルウ)

  • 作者: 吉田 修一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/11/21
  • メディア: 単行本

よかった。時の流れが感じられる秀作。
台湾新幹線準備をめぐり、春香、そして台湾の男たちの気負いない姿が描かれる。年老いた男も遠くからささやかに絡む。
【遠回しな告白をされたこともあったのだが、気づかぬふりで誤魔化してしまった。】
これは春香、の心情の部分だったろうか。読み終えてから時間が経ってしまったな…。
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プラハを歩く [チェコいろいろ]

プラハを歩く (岩波新書)

プラハを歩く (岩波新書)

  • 作者: 田中 充子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/11/20
  • メディア: 新書

建築史専攻の著者。後半は走り読み。
【プラハは千年の歴史をもつ古都である。~そのように美しく古い建築が残っているのも、幸運なことに第一次・第二次世界大戦の被害を免れたからだ。さらに第二次世界大戦後の資本主義の高度成長にも大きく巻き込まれなかったことも大きい。】
現地で呼ぶ「ヴァルタヴァ川」は、「モルダウ川」(ドイツ語)である。
【日本の米に相当するものに「クネドリーキ」というパンのようなものがある】
食べてみたい。
【プラハに住んでみて、一番の不満は野菜不足だ。野菜の代わりにヨーグルトやチーズなどの乳製品をいっぱいとる。】
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ほんじつ休ませて戴きます [よんでみました]

ほんじつ休ませて戴きます―人生最晩年、あふれ出た愛の言葉集 (ゆうゆうBOOKS)

ほんじつ休ませて戴きます―人生最晩年、あふれ出た愛の言葉集 (ゆうゆうBOOKS)

  • 作者: さかもと けんいち
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2013/07/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

大阪、90歳現役の古書店主(「青空書房」)。大正12(1923)年生まれ。
休みの日の店先に掲げるポスターが話題になり、それを収録。そのHPを今見たら、昨年いっぱいで「閉店」の模様でびっくりしました。

【生活のために、出征の前に、夜学に通いながら買いためた100冊(岩波文庫)を、体から血が奪われていくような気持ちだったけれど、売らな食うていけないからしゃあない。
戦後すぐの水道もガスもないような時分に、まさかプルーストの「失われた時を求めて」を読む人がいるなんて不思議でしょう。でも、カフカもサルトルもよく売れたんです。
あの頃の日本人には、そうした知的なものに対する憧れや欲求がものすごくありました。
そういう庶民がいたからこそ、日本は復興できた。本を読むことが、隠れた原動力になっていたのだと私は思いますね。】
【定休日の前日、店でポスターを描きます。下書きなし。即興です。】

戦後の日本の姿に絶望し、自死を考えたこともあった。
【私は戦前の国粋主義的な教育で純粋培養されていたので、戦後の民主主義は「それまでの人生」を全否定されることでした。共産主義の方がまだ理解できる。民主主義はどうもわからん。日本女性がアメリカ人にすりよって、腕にぶらさがっているところや、近所の娘さんが梅田の街角に立って春を売っているのを見て、人間不信にもなりました。日本は取り返しのない国になってしまったと思うてね。何もかもに絶望して、死のうと思ったんです。
それで短刀を買うて懐に入れて、どこで自殺しようとうろうろして。~と思って行ったら、美術館が目に入った。せめて最後に絵を観てから死のうと思ったんです。
マチス展をやっていました。世の中に、こんなにも美しい色があるんか、と衝撃を受けました。~マチスに命を救われた。絵画に助けられた、そう思うてます。】
そう! この人の色鮮やかな絵は、マチスの香りです。

【よく奥さんに先立たれると「自分も早く妻のところへ行きたい」という人がいるけれど、そういう気持ちはまったくありませんね。女房はいつもそばにいると感じていますから。「呼びに来てほしい」なんて思わないんです。】
【大勢のサポーターのおかげで、毎日、店が開けられるんです。】
あー、一度、実際の店頭で、休日にかかわらず人が集まってくる、その手描きポスターが見たかった。お齢、の問題でしょう。。。おつかれさまでした、ですね。
≪大阪市営地下鉄谷町線中崎町駅(東梅田駅からひと駅)そば。天五中崎通商店街(通称おいでやす通り)、でした。≫
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