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向田邦子を読む [向田邦子と妹・和子]

向田邦子を読む (文春文庫 む 1-28)

向田邦子を読む (文春文庫 む 1-28)

  • 作者: 文藝春秋編
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2021/08/03
  • メディア: 文庫

2022年になりました。本年も『衿Diary』をよろしくお願いします♪

新年に目が覚め、PCは立ち上げずに(笑)これを読んでいました。
「一年の計は元旦にあり」。今年は形からでも本読みから始めたかった

2018年刊のムックを文庫化。
なぜ今頃、手にしたかと言えば「岸田奈美さん」の文章が収められていたから。最後の方に収録。
ダウン症の弟さんが、ホテルのバイキングでこんもりした山(食べたいものをのせた)を抱える光景を毎回見るときの幸福感…を、向田さんのあるエッセイを読んで思い出した~という一篇だ。

向田さんとの思い出や作品について、由縁の作家や脚本家、家族らが語る。
【大事件は起こらないですからね。向田さんは実は世間の大事件より、人間の心の中こそがいちばんすごい宇宙だと考えていらっしゃったと思うんです。】by合津直枝氏

向田さんは1980年に第83回直木賞を受賞。
知っていたはずだが、忘れていた。志茂田景樹氏との同時受賞だった。直木賞選評(当時の『オール讀物』)を本誌そのまま全文再録。強く推した選考委員に水上勉氏、山口瞳氏がいた(ほかに阿川弘之氏など:「書かないうまさというものがあると思う。あざやかとしか申し上げようがない」と)。大衆作家として一本立ちするには、30代の半ばまでに直木賞を受賞するのが理想とされているそうで(山口氏)、見かけより上をいっていた向田さんの「51歳」がプラスの後押しになった??のエピソードも。
山口瞳氏は「戦友だった」とその力を評価していた。よい文章だった

第34回向田邦子賞受賞の藤本有紀氏(「ちかえもん」で。「カムカムエブリバディ」脚本・1967年生まれ)。
【この人は、私の好きな人だ。そう思ったとき、向田さんはすでに故人でした。~私が今この仕事を生業にできているのは、やはり向田邦子さんという人がいたからだと思います。】

末妹・和子さんは姉が亡くなって20年後、遺書なるものの内容を公開した。つじつまの合わないこと(財産の残り具合など)も多々あったそうで、そのへんはだいたい~の人だった。
それもいい。
【私の印税の代理人を和子さんに指定します。ただし、本の印税は、みなさんのおかげで(モデルになってもらって)すから、4人(母、弟、妹、末妹)でわけてください。】

向田さんの作品も一部収録。どちらも読んでいるはずだが、小説『春が来た』と、有名なエッセイ『字のない葉書』にはあらたに感動してしまった。

期間限定『思い出トランプ 1~4』の朗読あり。新年に、疲れている目をつぶって聴く…いかがでしょうか。
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