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忘れられない一冊② [よんでみました]

つづき。
これから私が読んでみたいと思った本、過去に同じように読んでよかった本を下記に(敬称略)。私の備忘録です。

阿刀田高 『グリーン殺人事件』ヴァン・ダイン《初めて推理小説を読む人に☆》 
角幡唯介 『影の地帯』松本清張《その姿から新聞記者の道を選んだのかも?》
           …松本清張氏は図書館バイト時代の衿、応対したことがあります♪
菊地秀行 『闇の梯子』藤沢周平《父の死を前に病院待合室の書架で出会う・その時の心理とハマる》
松田美智子 『春にして君を離れ』アガサ・クリスティ《専業主婦の傲慢さと勘違いをこれでもかと描く》
森山大道 『チボー家の人々』マルタン・デュ・ガール《亡くなる直前に母から勧められる・未読だそう》
山田太一 『立原道造詩集』《十代後半の気持ちを思い出すそう・「夢みたものは~」など》
詩集、いいよなぁ~。そういうシンプルな文章に触れたい。

忘れられない一冊① [よんでみました]

忘れられない一冊 (朝日文庫)

忘れられない一冊 (朝日文庫)

  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2013/09/06
  • メディア: 文庫

きっかけはスポーツライター・生島淳さん(この人の物言いに誠実さを感じ、以前から注目していた:生島ヒロシさんの末実弟)が語る、2011年の震災で姉を亡くした詳細を「ラジオ深夜便」で聴き、著書『気仙沼に消えた姉を追って』を読もうと思ったため。残念ながら私の住む地域では所蔵せず、その件について短い文章だが掲載されているこの本を手にした。
各分野から、人生の岐路となった本が紹介されており、思った以上に付箋が付いた。『週刊朝日』連載。

生島淳さんの話に戻そう。故郷の気仙沼で暮らしていたお姉さんを震災で失った事実は、兄の生島ヒロシさんからもやはりラジオからだったか聞いたことがあり、印象に残っていた。
2011年3月11日の午後、実母の四十九日法要のため姉夫婦は遺骨を持って上京の予定だった。つまり、東京へ向かうのが午前中だったのなら命は助かったと思われる。自宅は津波で流されても。
大きな揺れのすぐあと、姉から淳さんの自宅に電話が入り、淳さんの息子さんが受けた。「そういうわけで今日はそちらに行けない」と。これが最期の声となる。
淳さん自身は外出中だった。自分のケイタイの方に連絡をくれれば「津波が来るから逃げろ!」と伝えられたはずだと《息子には重いものを背負わせてしまったと語っておられます》。

避難所に逃げた近所の人々は生き延びた。お姉さん、かさばるお母様の遺骨を持参しての移動に躊躇したのかもしれない。自宅にとどまった姉夫妻は津波にさらわれた。
半年後、お姉さんの遺体が確認される。ホッとしたそうだ。
…一日早く東北から離れていれば。「津波」の恐ろしさに気づいていれば。
わずかな判断が生死を分ける。

他のみなさんの「忘れられない一冊」はへ。