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家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択 [稲垣えみ子さん]

家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択

家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択

  • 作者: 稲垣えみ子
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2023/05/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

左手甲を冷やしながら綴っております(笑)。

一流の会社で働き、バブル時代を経てきた稲垣さん。
【ずっと、お金を稼ぐことと、そのお金で素敵なものを買うことが忙しくて、家事はいつも後回しだった。故に、いつも食べきれないもので冷蔵庫は溢れかえり、着きれない洋服でクロゼットはぱんぱんとなり、その他様々の溢れかえるモノたちが部屋に散乱し、それが邪魔をして掃除がどんどん億劫になり、つまりは365日24時間、ほぼ混乱した汚い部屋で生きてきた。~稼ぐことと買うことで一杯一杯。それを整えるヒマなどなかったのである。】

今では、
【広すぎる家や多すぎるモノなどは、せっかく手に入れたラク家事を大変にしてしまう「不幸を呼ぶ原因物質」にしか見えなくなった。そう考えたら、家賃とわずかな食費を稼げれば十分なのである。】

【これからの時代、誰もが無縁ではいられない最大の不安はやはり、老後をどう生き抜くかであろう。だが(略)結局のところ、金を貯めろ、健康でいろ、としか語られていないように思う。】
たしかに☆
…と、ここまで「はじめに」より。以後も付箋、たくさん付きました。

【日々きちんと片付いた部屋で、清潔で着心地の良いお気に入りの服を着て、美味しく健康的なものを食べることができたなら、他に何がいるというのだろう?】
一汁一菜生活になって何が驚いたって、「時間が増えた!」ということだ。調理時間よりも何よりも、今日の献立を考えなくていいことが~(略)。ピアノやら書道やら、かねてやりたかったことに次々と挑戦している…】

ラク家事生活とは、災害があってもビクともしない生活でもある。】
【便利をやめれば自分が育つ。】
【~ものを無駄にしたり(略)、ゴミを垂れ流したりすることは、自分の心をそれだけ荒ませていたのだということに気づく。ものを大切にするということは自分を大切にするということで、環境に優しく生きるということは、自分に優しく生きることでもあったのだった。】

お母さまの晩年の様子から、モノをたくさん抱えることが家事を複雑にし、いずれは本人を苦しめる原因になると痛感。
【(もっと昔々は)水道がなかったから井戸端会議が生まれ、家に風呂がないから銭湯での裸の付き合いが生まれた。~おかずのおすそ分けは当たり前だった。】
便利が孤独を生む、と。
稲垣さんは、近くの商店など、人と人とのコミュニケーションを大事にする。

【まもなく還暦を迎える私も、これから年をとれば、今できていたことができなくなっていくだろう。でも、その時はさらに暮らしをシンプルにすればいいのではないかと思っている。持ち物をさらに減らし、食事もさらに単純にし、もっと小さな部屋で暮らせば家事もさらに楽になる。近所の人たちとも、もっと助け合えば良い。】

【使わないものは衰える。体も。頭も。】
【体を動かし、五感を働かせていることそのものが、自分を生き生きとよみがえらせているのがわかる。】

【何しろ、ないものは散らかりようがない。そして何より片付いていたのは、私の頭の中であり、心の中だった。私が生きていくのに必要なものは、驚くほどちょっとしかなかった。(略)~「これでいいのだ」という気持ち。】

意外だったのは、稲垣さんからコンマリさんの名が出たこと(笑)。
【そう、かのこんまり様も言っておられます。部屋の片付けなんてさっさと終わらせたほうがいい。なぜなら片付けは人生の目的じゃない、本当の人生は片付けた後に始まるのだからと。】

【つまりは「自分のことを自分で面倒をみきれる範囲」で、ラクに家事をやりきれる範囲で生きていけば良いのではないだろうか。】

稲垣さんの一日のスケジュールが頭の方で紹介されている。なんとピアノの練習は午前7時!より2時間。そして、午後6時からは5~10分で調理し、日本酒の燗をつけ、7時半からはほろ酔いでNHK-FMでクラシックやラジオドラマやJ-POPなどを聴きながら縫い物、スケッチの練習~とあった(むろんTVも持たず)。

⇒私はまだまだ~。PCからのTVerを離せない。今期ドラマでは『この素晴らしき世界』が一番のスタートでは?