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ケチじょうず [整理整頓をめざして]

ケチじょうず―美的倹約暮らし

ケチじょうず―美的倹約暮らし

  • 作者: 小笠原 洋子
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2021/05/05
  • メディア: 単行本

初版は2003年。1949年生まれ。美術館学芸員を経て、フリーのキュレーター、美術エッセイスト。
徹底した内容で、稲垣さんを思い出しました(←先日Eテレに2週続けて出演されてましたね)。女性のひとり暮らし、は共通~。

【~私は好んでつましく生きている。美徳だと思うからではなくて、それが自分の生きる姿勢に合うから。私が心底いいなあ、と思う生きかたは、数少ない必需品とともに生活することで、必要でないものは身辺に近づけないこと。】
【料理法や味つけまで、食事の時間から生活必需品の買い方まで、私は自己流を曲げられなかったので、親子といえども互いに窮屈なのだ。】
結果、同居は避けたそう。実の母娘でもやり方は違うよな、ホント。

【私は自分の吝嗇(りんしょく=けち)を人にも隠さなかった。むしろ朗らかに公言した。(略)~交際のための経済的出費は頭から避けたから、友人を減らしたかもしれない。それでも人並みの付き合いをしようとすれば、私の生活はすぐに破綻する。~経済的状態を打ち明けてしまえば、虚勢を張ることもなく身分相応の付き合い方ができた。交際とは協調が基本であり、生活観の大きな違いはその協調を妨げる。友人や仲間を持つか、自分の生活を貫くか。】

【私が関心があるのは料理らしい料理ではなく、正式にはとても料理とはいえない食べ物を、毎日自分で考えることだともいえる。】
【中世の隠者は、人里離れた草庵に住んで生涯を送ったという。その草庵は、たかだか四畳半四方の小屋だった。衣食住の生活は至極質素であり、隠者たちはただ精神的な栄華を求めて生きようとした。それを方丈の栄華ということがある。私もそれを理想としている。】

初詣に海を見にいく習慣があるそう。新年は海が見たくなると(20歳の頃の友人の誘いがきっかけ)。
信州に海はないしなぁ《先日の出雲旅では少し歩けば海岸に出られたのだった・悔やんでいる》。
…私も同じような年頃に、女友だち5人くらいで江の島方面をただただのんびり座って見た海沿いでの一日があった。よい時間が流れた《そのメンバーと賀状もいきかわなくなった》。
→《第6回衿賞