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はじけてダンス!ー重度障害者の娘と共育ち [よんでみました]

読後記録は溜まっており、まずは最近読んだものから。
今回も、私にはよくある「リンク的」読書でした。

遊楽としての近世天皇即位式

遊楽としての近世天皇即位式

  • 作者: 森田登代子
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2015/03/20
  • メディア: 単行本

上記新刊が、仕事上、私の手元に来ました。…図書館購入のおすすめ度が高い図書には、各目録項目と共に、著者の経歴も入力するのですが(奥付上やカヴァーそでの紹介文を元に)、この著者の既刊本タイトルの中にどうみても今回の分野とは違うものがありました。「んっ!?」と、おきまりのまえがき・あとがきを覗くと、障害をもったお嬢さんがいらっしゃるらしい。これも偶然の出会い・縁。
その本↓を図書館で借りることに。

はじけてダンス!―重度障害者の娘と共育ち

はじけてダンス!―重度障害者の娘と共育ち

  • 作者: 森田 登代子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本

読んでよかった。著者(母親)は、40歳を過ぎてから大学で学び直した家政学博士。庶民生活文化史専攻。大学の非常勤講師等(この2006年刊の図書より)。
お嬢さんは1977年生まれ。身体には重い障害がある。出産当初は心配されたが知的な不自由はない。
私は、この母親の立場から読みに入ったわけだが、むしろ影響をもらったのは娘さんの方だった。そのバイタリティーはすごい。このお母さんありなのかもしれないが、あとから娘さんよりもらったものが大きいのではないかと。
【~娘の「生きる勢い」に感化されたのだろう。】

【右手の指が4本、右肘は伸びきらない。右の肋骨が3本なく、脊柱は先天性側弯症。背骨がねじれた状態~。etc…】
いつも、そして今も、日に何度かの「導尿」がかかせない。それは、母親のみの「担当」だった。ずっとそうしてきた。しかし、ある時母親自身に非常事態。その時、はじめてプロの看護師の手を借りれば、母でなくても(入院も泊まりも外出もOK、なによりご本人自身がひとり参加のツアー旅も可能に)なんなく済ませられる術を知る。
そういうことなんだよなー、やっぱり他の人を介してできるようにしておく、ことは大切なのだ。
わかっていても、つい日常に流されそのまま。困った出来事が起きて、突破口が開くものだ。

親子2人での海外渡航歴の多さにもびっくり。「導尿」のことがあるのに、宿を前もって決めないでの行動もある。
お嬢さん=加津世さん(当初の医師の言葉より、すぐに死ぬのなら14日に生まれたことを忘れないようにと「一」と「四」でこう名づけたのだそうだ)の言葉 ↓ が、ご本人をよくあらわしているかもしれない。
【~しかし最近、娘はもう一度韓国に行きたいと言う。障害者に対する視線が変わったか、変わっていないか、見てみたいのだそうだ。】
ヨーロッパなどではそのへんはほとんどなかったということなのだろう。だから毎年のように海外へ行っている。街なかでの自然な手助けも、きっと日本なんかよりたくさんあるに違いない。
加津世さんは、俳優・表現者・ダンサーとして、現在も活躍中♪
…月日も経っていることですし、お母さまはご自分の研究もあり、単独で海外にいくことも多いようで、親子ですっかり離れて活動されていることでしょう。
母の葛藤、娘の葛藤もそれぞれ、日常はいろいろあると思いますが、こんなに自然にはつらつと、どちらもそれぞれの道で自分を発揮されていて、いいなぁ~でした。
たくさん紹介したい言葉もあるのですが、このへんにしておきます・笑。
(協力的なご主人の存在もありました・あまり著書では触れられていませんが、本来の趣旨に集中して書かれたのでしょう。ご主人側の、大家族との同居でもありました。)
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