SSブログ

いのちに贈る超自立論 安積遊歩さん [安積遊歩さん]

いのちに贈る超自立論―すべてのからだは百点満点

いのちに贈る超自立論―すべてのからだは百点満点

  • 作者: 安積 遊歩
  • 出版社/メーカー: 太郎次郎社エディタス
  • 発売日: 2009/12
  • メディア: 単行本

“安積遊歩(あさか・ゆうほ)さん”の名をご存知でしょうか。こちらに立ち寄ってくださる方は、もしかすると「はい」が多いかもしれません。私がこの方の存在を知ったのは、Ayuがまだ幼く、地方に家族3人で住んでいた頃。同じ地域のダウン症の幼児を持つ親たちとの集まりの中で…だったと記憶しています。
約10年前くらいに、NHKの特集でもとり上げられていたので思い出された人もいるかと。

1956年生まれ。生後40日で「骨形成不全症」と診断。骨折を繰り返すなど、身体に不自由はありますが、ご自分の人生体験をふまえ、社会活動と共に、さまざまな発言をしてきました。
その中で、障害をもたない年下のパートナー偉丈(ひでたけ)さんと結婚、40歳でひとり娘の宇宙(うみ)ちゃんを産みました。
安積さんの病気は、2分の1の確率で子どもに遺伝するといわれており、それを承知の上で出産。直観で、お腹の子は自分と同じだと感じたそうです。

【私が(夫の)偉丈をいいナと思う点はいくつもあるが、(娘の)宇宙の障害に対する否定的な思いをいっさい感じさせないところが、もっとも尊敬している点である。
かつて、彼の母親が「宇宙ちゃんのこの足が問題よね」と言ったとき、間髪を入れずに偉丈は、「宇宙ちゃんのここがかわいんだよ」と、まだ1歳になるかならないかの彼女の足にふれながら言ったのだ。
いまでもそのことばは、私の内なる優生思想をらくらくとキックすることばとして、燦然と心のなかで輝いている。】
私は電車の中で泣けてきた。

歳の若いパートナー、そしてそれをとりまく彼の家族(特に母親の複雑な思い)、生まれてきた女の子…そのあたりを番組は伝えていました(宇宙ちゃんはまだ赤ちゃんでした)。
この本の刊行時(2009)、宇宙ちゃんは13歳になった、とありました。お父さんにとってもよく似た面立ちに私はなんだか嬉しくなってしまいました。

おわりに、より。
【私は、なにをするよりもまず、障害をもつ自分が長生きをすることが、最後の社会変革であると信じてきた。社会に迷惑な存在、あってはならない存在と位置づけられてきた私たちが、長生きをすることをとおしてこの社会に価値観の変革を迫りつづけるのだ。
ただ、娘の宇宙を産んでからは、その使命感にもまして、彼女との日々を少しでも多く生きたいという思いが強くなった。~いま、一日でもたくさん、穏やかに人と共にありたいという思いからの、長生きに変わったのがうれしい。】
nice!(0)