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どうやら僕の日常生活はまちがっている [よんでみました]

どうやら僕の日常生活はまちがっている

どうやら僕の日常生活はまちがっている

  • 作者: 岩井 勇気
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2021/09/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

第2弾。今回もなかなか☆でした。
【~だが僕は小学生ながらに、この大人は、子供達に夏の思い出を作ったという思い出を自分たちが作るためにやっているんだろうな、とうっすら感じていたのだった。】
幼い時から、冷静に、人間を観察できていたのですね。おそろしくもあるけれど、想像力があったと誉めるべきでしょう。

寅さんシリーズを映画館にて初めて観た話(50周年記念映画)。
寅さんとはいかに迷惑をかけている人物かマジメに考察した上で、言い得ていた。
【そう、寅さんが迷惑をかけたり喧嘩を繰り返していても周りがそれを許していたのは、寅さんの周囲にかける愛情と、その愛情を上手く伝えることのできない不器用さを知っているからなのだ。】

高校卒業後、実家暮らしをしながらアルバイト。4年近く、あるオンラインゲームにのめり込んでいた様子に(「僕」でいるよりゲーム内の「キャラクター」でいる時間が長かった時期)、ゲームって悪くないなぁと思わせてくれました
30歳で遅めの一人暮らしが始まった(現在もまだ30代半ば)ことは前作にも。
【お風呂に入る時間も決まっていなければ、何時に寝てもいい。~一人の王国は、良くも悪くも無秩序だった。】

『天使の扱いが雑になっている件』『コラボキャンペーンの悲劇』も面白く。
何事もハスに構えて見ているようで、小心なところがあるから魅力的?
団地住まいで育ったそうで(私も)、マンションにはない濃いコミュニティーがあったよなーと自分のことを思い出す。いや、それが小学生時代~という多感な年頃だったから印象深いのか。
またその場所(以前足を運べなかった秘密基地的なところなど)を訪ねたいな、と。私の思い出はもちろん、父のことをなぞる旅になるかもしれない。