ジャージの二人 [よんでみました]
リンク的読書。先日の佐野洋子さんのあとがきが長嶋有氏だった。「ジャージの二人」の感想を佐野さんが寄せてくれたとあったので。
長嶋さんのは前に一冊くらい読んだかなという記憶だったが、このブログで探すと4冊(よろしかったら次々リンクでたどってくださいマセ)だった。自分でも忘れているのだ。
父親の、恒例の一人避暑(はやりでないあたりの軽井沢)についていく僕(小説を書いている・この二人が学校ジャージを着ている様子から)。僕には妻もいる。その妻には、想う男性がいる。ただのゆるゆるな日々だが、心もゆるゆる動いている夏の数日が描かれている。
最初からうまい、と感じながら、途中でどうでもいいとも思い、しかし半分過ぎあたりからなかなかよくできていると、その世界にすっかりはまっていた。
【~散歩以外なにもしていないのに、夜になると疲れて眠くなる。こちらに来てから、眠くなることの幸せを感じる。眠くなるのは、余計なことを考えないでいられるということだ。】
【(父の新しい奥さんとの間に出来た妹が)「でも、夜がこんなに暗いってことを東京の人にどんなに説明しても、うまく説明できないの。いいなあとか、星が綺麗なんでしょうとか、そんなふうにいわれちゃうの。いいなあとか、そういうんじゃなくて、暗いってことだけ伝えたいのにな。」】
私の借りた文庫本の表紙には(上記とは違っていた)、堺雅人さんの赤ジャージ姿があったので、そういえば映画化してたかなーと。チャンスがあったら観たいので、いつもNHK-BSで忘れた頃にこそっとやる放映を待っていたい。
2016-01-28 20:00
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