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カキフライが無いなら来なかった &銃 [よんでみました]

お笑い芸人・又吉さんと、俳優・綾野剛さんの対談番組を、なぜか2度もめぐりあわせでちらと見て、又吉さんというのは聞き上手な人だなーと思った。あれだけ忙しいのに、いくら収録といえどもそういうふうに自分をもっていけるのは大人だな、と。それとも天性か。
そんなきっかけの2冊。

カキフライが無いなら来なかった (幻冬舎文庫)

カキフライが無いなら来なかった (幻冬舎文庫)

  • 作者: せきしろ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/10/10
  • メディア: 文庫

1970年生まれの文筆家・せきしろ氏と80年生まれの又吉氏2人による自由律俳句(+散文)集。
句から、描いたその年齢と背景が浮かび上がってくるものをピックアップ。
まずはせきしろさん。
【滑り台の終わりに水たまり】【醤油差しを倒すまでは幸せだった】
【花束でドーナツ店の席を確保している】【カラスの突いたゴミ袋からプリクラ】
又吉さん。
【家具屋のソファーに二人で座る】
【単三電池握りしめて単三電池を買いに行った日】
【耳鼻咽喉科の看板が阿鼻叫喚に見えた夜】【先生が来たという嘘】
…自由律といえど、リズムもありそう。

銃 (河出文庫)

銃 (河出文庫)

  • 作者: 中村 文則
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2012/07/05
  • メディア: 文庫

対談の2人がどちらも好きな作家ということで、デビュー作を。新潮新人賞受賞(その後、芥川賞を「土の中の子供」で受賞とのこと…私は現代作家に疎い)。1977年生まれ。
率直に、男性向けかなと。心理的に共感できるのはそうなのだと思う。ただ、先がどのように展開していくのかはとても気になった。車内で座ったらすぐページを開いていた。そういう点では、十分魅力ある作品だったと思う。
終わりはこれなの? だったが、これでよい気も。これしかないか。
この人の作品には、きっとこの怖さ・暗さは、常にあるのでは(ドストエフスキーが好きとのこと)。
繰り返すが、やっぱり女性にはちょっとだ。。。
ミステリアスな役も多い綾野さんには、心理描写も参考となる作家なのかもしれない。
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