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親が子どもになるころに てんてん、介護問題に直面す [我が家の介護いろいろ&認知症関連]

親が子どもになるころに: てんてん、介護問題に直面す

親が子どもになるころに: てんてん、介護問題に直面す

  • 作者: 細川 貂々
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2022/06/16
  • メディア: 単行本

貂々さんは、今までに何冊も手にしています。
これは、予約の本を借りにいった際、新刊図書(昨年6月刊行ですが…笑)のブックトラックに偶然見つけました。サブタイトルまで確認しないと、一見、介護関連の図書(コミック)とわからない本タイトルですね。

てんてんさん《1969年生まれ》の父親、そしてツレさんのご両親(てんてんさん夫妻はお互いひとりっ子)。…子どもが年を重ねていくということは、親の介護問題もひたひたと現実味を帯びてきます。

てんてんさんのお母さまが亡くなった時、お父さまは68歳。その後もひとり暮らしを続け、家の中もきれい☆ 自動車整備士として78歳まで働きました。ところが、手術後はコロナ禍に阻まれ、しばらくぶりに訪ねると冷蔵庫の中からはくさったにおいが~。幻聴や、妄想症状も出てきました。
頭ではわかっているが、さすがのてんてんさんも腹立たしさが伴い(あたり前のこと)、こらえます。

ツレさんのご両親。お母さまがお父さまを見守るのが大変になり、お父さまが入所。荷をおろし、自由な時間を得て生き返った心持ちのお母さまでしたが、その後「私が面倒をみていかなくては」との強い希望で、夫婦ふたりで暮らせる施設に入所しました。

いずれもご本人たちの財産的余裕があったと思われます。もっとも費用がかからない「特養」ではありません。待機時間はそれほど長くなく、恵まれていたといえるでしょう。

しかし! 具体的な症状は省きますが、介護もその人によっていろいろ~です。
私の父の場合は、足腰が弱くなり、認知機能がたよりなくなり…の人の老化そのものの辿り方でした。元気な肉体を持ち&つじつまのない事柄にこだわったり、話したりするという症状ではありませんでした。後者、寝たきりの介護とはまた違った周囲の苦労があります。「闘い」ともいえるでしょう。

てんてんさんが最終的にこれからのみなさんに主張していたこと。
本人たち(親)は(まさか)社会についていけなくなる自分を想像できなかった。そしてそうなった時どうしたらいいかも知識として知らなかった。なので、家族で話し合っておくことをオススメするのは、以下。
お金の管理について」「家事を他人に任せていくこと」「車や仕事など衰えたらできないことを断念していく」】

今は、多くの人が親と別々に暮らしています《我が家にしても私が家庭生活を維持していたら(笑)同居していなかっただろう》。いきなり自分たちが直接面倒をみる生活に移ることは現実的でない。親たちだけの生活で、早めに適切な介護判定を受けたり、介護サービスを積極的に使っていく術を、当事者たちは細かくわかっていませんし、目を背けがちです(周知させる社会のしくみも必要!)。
先立つは、やっぱり「お金」。持っていても、うまく有効的に使っていけるか(「騙される」いろいろも世の中にはびこっています!)は、大変ですが遠く離れた子どもの一番の出番かもしれません。肉体的にも精神的にもまだお元気な状態のご両親から、希望や財産状況(いくら年金をもらっているかも重要)を聞いておくこと。

てんてんさんの目線で、ホーム生活に導くまでの紆余曲折を描いています。これも一例に過ぎないわけですが、手にとってよい一冊と思いました♪