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ショローの女 [よんでみました]

ショローの女 (単行本)

ショローの女 (単行本)

  • 作者: 伊藤 比呂美
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2021/06/21
  • メディア: 単行本

伊藤比呂美サンは、時々読んでいる。今は、金曜日夜の高橋源一郎さんのラジオ番組でのコメンテーターでおなじみだ。
比呂美サンのエッセイを求め、借りた。

【あたしは父を独居させた。母が寝たきりになって入院した後、8年間独居させた。父は寂しい寂しいと言っていた。今死んだら死因は退屈だなんて冗談めかして言っていたが、本気だったと思う。あたしは、聞いているふりをしながら、耳を閉じていた。】
こういう正直なところが好き(お父さまとの詳しいことはこちら)。ナマの語り口は独特なモノ(笑)があるが、この人は想像よりずっと繊細でやさしいのだ。

【「こんど来るときは、こうやって早いうちにいつ来るっておれに言わないでおいて、明日行くよって、突然言うようにしてもらいたい」とあるとき、父はあたしに言ったのだ。「そうでないと、いつ来るって知ってから、待っているのがばかに長くってしょうがない」と父が言った。あのときの父の気持ちは、こういう気持ちだったんだなと考えた。(←詳細略)】

多数、付箋はついた。でも限りがあるので選りすぐったら、お父さまとの部分になった