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結婚の奴 [よんでみました]

結婚の奴

結婚の奴

  • 作者: みね子, 能町
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2019/12/23
  • メディア: 単行本

能町さん。私の中で昨年のいちばんのヒットと言ってよい。
(次は「新井見枝香」さんだね、きっと。)
彼女(戸籍も女性)はひとり暮らしは卒業し、リフォームした一軒家に住む男性(同性が好きなゲイとあり)と現在同居。その顛末や、過去の恋愛、彼女独特の思考(悩み?)を赤裸々に綴っています。

ひとりだと、ガスコンロを点火することもなくなっていたそう(つまりは炊事はほぼせず)。売れっ子になってしまった忙しさも…と私は思いますが、みね子さんは、同居する誰かがいれば、人目もあってそーゆーのがちゃんとする、「ただいまー」を受けてくれる存在が自分には必要と考えます。
そして選んだのがカレでした。籍を入れる結婚は断られましたが(「重病とか介護に突入したら申し訳ない」と~・カレは「女性」であるみね子さんに恋心はない)、共に暮らす人としてよい距離感(居心地のよさ)もあり、今に至っています。
ヘンに意識する異性より、心が通じ合う(友情のような)人(男性でも女性でも誰でも!)との同居は理想かもしれません。入籍とか戸籍にこだわらず…。夫婦というより家族のような。その方が恋愛関係より長続きする、というのもうなづけます。
人といると「生活」ができる、とありました。

いつまで続くのかなぁとは正直思います。でも、
【~帰ると夫(仮)がご飯を作ってくれている。こんな定型の幸せ、自分が味わえるとわね。~死ぬ間際にでも人生をふりかえったら、この瞬間の私はきっとかなり幸せな部類に入るのでしょう。】
と書いています。著者の生きてきた背景は想像できない繊細な世界でもあり、人それぞれの幸せのかたちがある。
今、みね子さんが穏やかな生活を送れているのならいいなー☆と切に思います。