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オカマだけどOLやってます。完全版 [よんでみました]

オカマだけどOLやってます。完全版 (文春文庫)

オカマだけどOLやってます。完全版 (文春文庫)

  • 作者: 能町 みね子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/08/04
  • メディア: 文庫

2カ月前の読後記録です・汗。
この著者への興味は前に書きました。では、そのデビュー作を読んでみようと。
この文庫は、2006、2007年の初版2冊に加筆、再構成したもので、既に第17刷でした。私のようにご本人をどこかで知り、元祖作品をみなさんが求めた結果でしょう。

この方の本のタイトルは、びくっとする感じ~が多いようで、これもその1つでしょうが、私は生まれた時の性別でなく過ごす人のお仕事が、普通の会社員である確率って高くあるべき、と常日頃勝手に思っていました。
そういう意味ではこのタイトル、「そーよね、自然に世間に混ざって普通に働いているよねー」と。

今では、TV・ラジオ、執筆でもひっぱりだこですが、元々は会社勤務でした。
のちに、性転換手術を受け、戸籍も変えますが、それ以前のいろいろが書かれています。

【男子世界に一応いたことのある私からすると、女子世界がびみょーにぬるま湯に感じることもあるんだけど、私にはやっぱり女子のコミュニティーの方が心地いいんだなーと思うのです。】
根っから「女性」としての方が合っていたのでしょう。
私はこの人が、必要以上に「笑っていない」ところが好きです。普通、なのです。へんな愛想を振りまいていない。きれいにお話をする。

「若いお姉ちゃんだけが大好き」という赤ちゃんを抱っこしたら、受け入れてくれた。「赤ちゃんの眼力」、それはとっても嬉しいものだったといいます。 
一般的に、自分は女性として認識されるのか。さまざまな場面で試すわけです。定期購入の際に、男女の別をわざと入れず、係の人に判断を委ねる。病院などでも。会社でもOLで通せたのですから、まずOKだったようです。《ちなみに、運転免許証は男女の区別を求める欄がないそうです!素晴らしい。》
帰省の際、母親が女性用の下着をフツーに洗濯してくれたエピソードもありました。

【私がいちばん「あぁ私、女になった!」って感じたのは、彼氏ができたときでもキュンとしたときでもなく、彼氏ができたときに、ある友だちに本気で嫉妬されたときでした。】

【(略)「性同一性障害」に居心地の悪さを感じてしまいます。(略)お笑い系のオカマか、オンナ顔負けの美形ニューハーフか、苦労を重ねて世間と戦う性同一性障害か、3つしか選択肢がないなんてイヤですよ。私はそのどれでもないところで、ごくふつうの女の子になっちゃいますからね。】
そうだー、そうだー、それでいい。

まだまだ紹介したい…のですが、在庫として今回は珍しく購入しましたし、このへんで~♪
お相撲通でのお仕事も多いですねー。私も詳しいつもりですがその深い知識には負けます・笑。私よりうんと年下なのに昔の力士にも強い。
今後も、普通で無理なく(忙しそう)、の活躍が楽しみです。