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この世界は思ってたほどうまくいかないみたいだ [よんでみました]

この世界は思ってたほどうまくいかないみたいだ

この世界は思ってたほどうまくいかないみたいだ

  • 作者: 新井 見枝香
  • 出版社/メーカー: 秀和システム
  • 発売日: 2019/02/09
  • メディア: 単行本

書店員・新井さんの第3弾エッセイ。
知る人ぞ知る(テレビ、ラジオ出演多数)ヒトになって、通う歯医者さんから「昨日テレビ出てませんでした?」と言われるように。それはそれでやりにくいでしょうね。

【原稿を渡した相手にきちっと新聞記事のような正しい文章に修正されるのだが、すべてカチーンときて突っぱねている。】
それでこそ。この人だけしか書けない言葉だからこそ、だ。

【深夜、テレビのないひとり暮らしの部屋は、冷蔵庫のデューーーという和音が聴き取れるほど静かだ。】
【これ改札機と一緒だ。前の人がミスタッチしたから扉が閉じたままになるのであって、もうそいつは遙か彼方に進んでいるのだが、私が諸悪の根源みたいに舌打ちされる。】
【私の中で、千円札は万札よりエラい。万札しか使えない券売機はないが、千円札しか使えないことは多々ある。】
【袖丈はぴったりなのですが、身の丈には全く合わないジャケットを買おうとしています。】
【こういう時、私は怒らないタイプである。(略)だがそれは、優しいからでも達観しているからでもない。客が感情的に怒ると、店員に申し訳ないと思う気持ちが湧かなくなるのだ。】
サービス業経験者なら、わかる~のでは。他の場面でもありがち、か。

とても真似できない、いつもの新井節炸裂で、楽しませてもらった。
『良い子の山本くんと悪い子の新井さん』の章が、一番笑えました。

で、ですね、私は世の中が新しい元号だけに注目していた日、そんなことよりもっと気になることがあり…。びっくりしました。
新井さん、とうとう引き抜き!?でしょうか。いくらなんでも、エイプリルフールだからといって…はなく、真実なのでしょう。
心機一転、新たな書店で来月から働くそうです。これは注目です、30代女性の、同業職での転職とは。
では、私がまだ訪れたことのない、この美しそうな書店で次の第10回の『新井賞』がまず陳列されるということになるのね、きっと。
今後も目が離せません。