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終りなき夜に生れつく [アガサ・クリスティー]

終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫)

終りなき夜に生れつく(クリスティー文庫)

  • 作者: アガサ・クリスティー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/10/07
  • メディア: 文庫

読み始めてまもなく、「クリスティーぽく、ないな」と思う。そして、これは有名な『そして誰もいなくなった』を読んだ時と共通する感覚であった。
…その理由は「名探偵ポアロ」も「ミス・マープル」も登場しない、に大きくは寄るのだろう。そのへんの区別もあり、訳者も意識してがらっと違う口調にしているのではないか、とさえ思う。それほど、ポアロ(andミス・マープル)の立ち位置は強烈、の何ものでもないのだねぇ。

主人公の若い男は、とある出会いで大富豪の娘と結婚、夢にまで描いた新邸宅を建て、住むことになるetc…。
またもや私に謎解きはとても々。予想だにできなかった。
人間の心理を深く描いている作品だ。これは『カーテン』より秀作ではないだろうか。
恐ろしさはピカイチな気がする。間違いなくA評価。
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エッジウェア卿の死 [アガサ・クリスティー]

エッジウェア卿の死 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

エッジウェア卿の死 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 作者: アガサ・クリスティー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2004/07/15
  • メディア: 文庫

漫画家・高橋葉介氏が巻末に載せていたのが面白かったので、これを紹介し、読後とします。
【(この作品を)日本人のキャストで映画化もしくは舞台化したら…。
主役のエルキュール・ポアロは生きてりゃ、え~と藤村有弘氏が良いと思うのです。昔、「ひょっこりひょうたん島」でドン・ガバチョの声をやってましたがお亡くなりになりましたし、金子信雄という手もありますが、やっぱり亡くなっているし。
欲しいのは「知性を感じさせるが、上品さが嫌みな、しかし憎めないデブ」というキャラクターで、日本のタレントさんでこーゆーのはあまりいない。(略)~ホンジャマカの石塚英彦を思い浮かべましたが、庶民的過ぎるかもしれません。
(略)ヘイスティング大尉(※ポアロにとっての、シャーロック・ホームズでいう相棒ワトスン)は東幹久でどうだ《※衿のイメージでは違うが》。西村雅彦というのも考えましたが、これ、どう考えてもシチュエーション・コメディーになるでしょうから、脚本は三谷幸喜を据えるとポアロは田村正和になってしまう。

ジェーン・ウィルキンスン(女優)は大竹しのぶでいいや。エッジウェア卿は佐野史郎、カロッタ・アダムスは清水ミチコ、ほら、ものまねだから。
ジャップ警部は高橋元太郎、ブライアン・マーティン(美男俳優)が岡田真澄、ルーシー・アダムズは光浦靖子、ロナルド・マーシュ(金持ち、の甥)は見栄晴くんだ。

…それで、ポアロと並ぶクリスティーの創造した偉大なるもう一人の探偵“ミス・マープル”を誰にするかと考えると、それはもう、市原悦子しかいないでしょう《※衿は断トツで「渡辺美佐子さん」。朝ドラの『おひさま』出演のイメージ。むしろ、“アガサ自身”ぽい、かな》。】

三谷氏が新年に、日本版「オリエント急行殺人事件」を2夜連続でやるという。
ポアロにあたるのは“野村萬斎”とか。これは文句ないでしょう。
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