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飽きっぽいから、愛っぽい [よんでみました]

飽きっぽいから、愛っぽい

飽きっぽいから、愛っぽい

  • 作者: 岸田 奈美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2023/03/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

岸田奈美さん原作のプレミアムドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』全10回、早くも次回が最終回となっていますね。
第1回は、母と叔母と共に視聴したのですが、私以外の2名はそこで脱落いたしました。
ちょっと特殊な脚本ではあります。昨今のドラマには、現在・過去(回想)があっちこっちと飛ぶ作品が多く、高齢者がついていきにくいこと、またそれとは別にこのドラマには独特な世界観が漂っています。
追って観ている私は、もう何ら違和感なくおもしろい表現方法だなぁ~と楽しんでいます。

さて、今回の本は『小説現代』連載。
この中に書かれているエピソードはドラマでも登場していました。

【諦めるというのは、自分を認めるということだ。(母は)歩けない自分をしっかり認めてから、どう生きていくかを、前向きに考えることができた。なによりの味方は、自分と、時間(の経過)なのだ。それを知ってから、わたしと母は、絶望することがなくなった。】

【母に代わって、このわたしが家を売る旗振り役を仰せつかった。】
ドラマで美保純さん演じる祖母、の家のこと。
奈美さん、私の娘Ayuの1歳年上の若さ。当時から母親の手術の承諾書にサインをしたり、このような大役を任されたり…。もう慣れっこになっているかもしれませんが、本人にはいつでも重いよな、おつかれさまだ、と深く思う。

【新梅田食堂街にふらりと立ち寄ってたこ焼きを注文すれば「お姉さん、このあと仕事は? ないの? ほな青のり多めにかけとこか」と言われ~(略)。】
こういうノリ、私は得意ではありませんが、ナマでちょっと体験したいと思ってしまった。
大阪道中、もよいかも!?

…岸田奈美さんのコトを知るには、私はこちらの一冊がよりおすすめです。
父親が早く逝去し、母親が車イスユーザーになり~は、自分のことだけを考えて生きてよい青年時代に重かったけれど、本当に大変だったのは、元気そうに見えて、認知機能が衰えてきたおばあさまの存在だったと思います。
たよりにされるのも限界がありますよね
ネットを通じて文章にすることから手ごたえを得て、TVのコメンテーターや、家族の話がNHKでドラマ化される今まで、どんどんと評価され、前に進んでいる存在は圧巻です。