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ダイヤモンドダスト [よんでみました]

ダイヤモンドダスト (文春文庫)

ダイヤモンドダスト (文春文庫)

  • 作者: 南木 佳士
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1992/02/08
  • メディア: 文庫

南木佳士(なぎ・けいし)さんと読む。ちょっと難しいヨミだなぁ。以前に携わってきた仕事を思えば、知っていなければならなかった名なのかもしれない《余談:本好きの職場と言えど、いわゆるベストセラーを好んで読むメンバーは意外に?少なかった》。
1951年生まれ。長野県内の病院に勤務(当時)。平成元年(約35年前!)、『ダイヤモンドダスト』で第100回芥川賞受賞。

4作収録。ご自身同様、医者であったり、看護士であったり。
受賞作の『ダイヤモンドダスト』を一番先に読む。
小説については、最低限しか読後感を残さないようにしています(ストーリーに触れるという掟破りは避けたい・だがあとで思い出すきっかけなく毎回頭を抱える当の私・苦笑)。
もしもこの小説に音楽をつけるなら、無音だと思う。家族の背景がさまざま描かれているが、一番印象に残ったのは松吉とマイクだからこその会話(この関係性ありき・近くない人ほど本音が出せる)。
【退院を機に、手伝いの人を頼もうとした和夫に、また失業させる気か、と迫った顔には説得を許さない迫力があった。】
こういう譲れないもの、人間は大事よねと思う。

『冬への順応』
【~若い看護婦たちを相手に難民たちのことを話した。彼女たちは、昨夜みたテレビドラマの話をした。】
わかるなぁ。この不合理。

ほか『長い影』『ワカサギを釣る』にも、その世界観は流れていました。連作のように(連作?か)。
いずれの作品も読み始めてすぐ、その空間に持っていかれました。

…きょうは大丈夫かと思っていましたが、「冬の曇り空」は油断ならないデス。午後から雪が舞ってきました。そして、私は父を亡くして日が浅い。この本(冬の香り~♪)は、ちょうど読み頃だった気がしています。
勧められての一冊でした。先輩、ありがとうございます。
ずっとあとになるかもしれませんが、この方のできるだけ最近の随筆が読んでみたいです。
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