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自分がきらいなあなたへ&多様性のレッスン [安積遊歩さん]

自分がきらいなあなたへ

自分がきらいなあなたへ

  • 作者: 安積 遊歩
  • 出版社/メーカー: ミツイパブリッシング
  • 発売日: 2019/01/25
  • メディア: 単行本

同時に刊行された2冊、母親でもある遊歩さんの単著の方を先に読むことに。
かなり前になりますが、既に数冊を読んでいたので、現在どう過ごされているのかも気になりました。

【28歳のとき、わたしはアメリカに行くことになりました。障害者運動のリーダーとして、6カ月間の研修を受けるのです。~アメリカのこの街では、だれもわたしをそんなふうに見ようとしません。「障がい者がいる」とふりかえるのになれていたわたしは、道ゆく人がちっともわたしの車いすに注目しないので、がっかりしてしまうぐらいでした。】

あらためて。
著者は1956年福島県生まれ。生まれつき骨が弱い特徴をもつ。22歳で親元から自立。~様々な分野で当事者として発言を続ける。

今までの著書からではおそらく話されていなかった、お父さま、お母さま、妹さんのことも綴られ、ご本人はお父さまの強さを持っているのではと感じました。
恋愛のこと、性のことも、体験を踏まえ書いています。

お嬢さんの宇宙(うみ)さんは、ニュージーランドの大学で社会福祉を専攻中。
宇宙さんは、お父さん、お母さんだけでなく、たくさんの人々に育ててもらった環境にありました。
私は勝手に、ご家族3人寄り添って生活していらっしゃると思い込んでいたのですが、今は母親である遊歩さんは北海道に、お嬢さんは前述の通りニュージーランド、そして父親のタケさんは東京と、すっかり別々に暮らしているとありました。

東日本大震災、そして福島の原発事故。とりわけ福島の人の人生を大きく変え…。
そのうちの一家庭であったようです。
【わたしたちは正直に生きようとしました。】
いつでも前を向き、行動してきた一家。だからこそのライフスタイルを選択…なのでしょう。
【目の前に、ほんとうにいとしい人がいなくても。タケさんが、宇宙が、遠いところにいても、彼らもしっかり生きている。それを知っていることのよろこび。いとしい人たちにかこまれながら、おだやかに日常を送ることができています。】
私が記憶するに、入籍という形はとっていなかったご夫婦。新たなステップということですね。

その他、宇宙さんのしたいということは尊重してきた…等、付箋はたくさん付きましたが、細かくは私の心にとめておきたいと思います。
遊歩さんの強さをまた知りました(ご本人はこのような表現は好きでないかもしれませんが~)。

多様性のレッスン: 車いすに乗るピアカウンセラー母娘が答える47のQ&A

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  • 作者: 安積 遊歩
  • 出版社/メーカー: ミツイパブリッシング
  • 発売日: 2019/01/25
  • メディア: 単行本

もう一冊は、宇宙さん(1996年生まれ)との共著で、一般の方からの質問に答えるカウンセリング形式でした。
【社会は、障がいをもたない人のからだに合わせてあらゆるところがつくられてていますから、居場所がないと感じるのは当然です。~】

遊歩さんが開拓者として前進してきたのに対し、宇宙さんはまた違ったしなやかさを持ち合わせて回答している気がしました。それをそのまま大切にしていって欲しい。

【医療はあくまでサポーターです。サポーターが言うことは参考意見であり、決定権はあくまでご自身にあるということを、自覚しておきましょう。】
医者が絶対ではない。イヤなことはイヤ。その声を出していくということ(遊歩さん)。

【25歳の時、妊娠したかもしれないと思うことがあって、医者に行き、「そんなからだで妊娠するわけがない」と言われました。本当に傷つくと同時に~(略)」】
ひどい医療従事者ですね。少し時代は前だけど…で、片づけられることではなく。
幼い時から実験台のようにされた、と既刊にもありました。
このようなことがけっして許されてはいけない。私も声を大にして言いたいです。