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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2 [よんでみました]

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2021/09/16
  • メディア: ペーパーバック

前書と同じくらい、今回もよかった。ブレイディみかこさん。

成長してきた息子(13歳)は、生活していく中でのギモンを素直に父親や母親(著者)に打ち明ける。それらの多くは、日本国内で生きている青年のものとは明らかに違う。人種のこと、貧富の差…。政治や政党への関心度も異なる
日本は、異国と陸地でつながっていない。これは「考える」という点において大きいのではと思う。

【息子の学校ではのノンバイナリーの教員が2人いる。~「第三の性」とも表現されるこの言葉は、男性でも女性でもない、性別に規定されない人々のことを表す。】
日本では、まだまだ開かれていないのでは。

学校関係での面接時の質問の回答を考えていた息子のメモより。
【「リーダーの資質」について息子は~「言葉だけで支持するのではなく、自分がまずやって見せることが大事」と書いてある。(略)~もう一つ(息子の)回答が書かれていた。「導く、ということは、前から引っ張るということだけでなく、ときには一番後ろに立ち、後部が離れてしまわないように押し上げること。」】
後者は、著者の尊敬する人がよく言っていた言葉だそうだが、息子の中に生きていた。

【一番近いところにいる大人を鬱という病に持って行かれた子どもには、未来なんて鉄の柵で囲われた狭い場所にしか思えない。そのことは、わたしもよく知っている。】
そう書いた上で、しばらくしたのちに明らかにしている。
【わたしの母は精神の病を患っている。もうずっとむかしからそうなので、例えば私と息子が英国から帰省しても、彼女は奥の部屋から出てこない。~(息子は)それが納得できる年齢になると、しばらくはやたら祖母のほうに近づいて行って、明るく挨拶したり、よろける彼女の歩行を助けようとしたり気を遣っていた。~息子の気持ちはいつも裏目に出て、つらい経験もした。】
毎年、その体験を重ね、祖母への対応が上手になったそうだ。著者は、小さい頃から家族として考えることがたくさんあっただろう。それが、視野の大きさにつながってもいるのだろうと想像した。

空港での息子と祖父(主夫となり、母親の介護者となっている著者の父親)の別れ際、孫はおじいちゃんにおばあちゃんのことをさりげなくお願いする。
【ぽそっと親父が言った。「こいつ、よう見とうよ」】
ちゃんと家族の関係性を理解して育っている。
【きっとこれから、息子がわたしたちには言わないことがどんどん増えていくのだ。】

『社会を信じる』というフレーズにも考えることがあった。

子どもは自分たちから産まれてきたけれど、あたり前だが別人格の人間なんだよなー、そうやって青年期を通っていくんだなーと。
男の子、女の子と分けて考えたりはしませんが、男の子の成長って、近くで体験してみたかったなぁと思うのでした。過程で、ちゃーんと子どもっぽさも持っているのが男子ではないか?と。勝手な推測かな?

やっぱりこれもお手本にしたい文章でした☆