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津島佑子展&講演会へ [太宰治と家族たち]

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遠いけれど、やっぱりこれを逃すわけにはいかないと、甲府の山梨県立美術館まで出かけてきました。「バスタ新宿」を初めて利用(その路線の始発で)。
講演がいくつか設定されていたので、是非ともどれかと重ねたい。当初は、竹下景子さんが「火の山 山猿記」を朗読、津島さんのお嬢さんが絡む対談に合わせて…と思いましたが、定員500名!なのに気づいた時には既に満員受付終了(竹下さんは『純情きらり』では早くに亡くなった母親&ナレーターだったからですね~)、それなら堀江敏幸氏(作家・早稲田大学教授)の講演!と申し込み。
堀江氏、何冊かは読んだかな、くらいで、ほとんど今回は下調べできなくて当日を迎えたのですが、帰宅してから3冊と触れ合っていたことを自己確認。
これを読み返すと、講演とすーっと見事につながりました。内容は、一言ではうまく伝えられないのですが、とても人生で大切なものを得た気がしています。
まだ、購入した図録も読み返せていないので、あらためてこのへんは書けたら、と。
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よいお天気で、さすがに都心より葉は色づいていました。山梨県立美術館と同敷地内にあり、近くに住んでいたならば通いたい空間そのもの、でした。

文学館は9時から開いており、私は10時には入場。「津島佑子展」は、大きなスペースではありませんでしたが、展示最初からまず私を喜ばせてくれました。
今までの刊行物では一度も出会えなかった、津島さんのお兄さん・正樹さんが映っている写真が何枚もあったことです☆妹である佑子さんがしっかりと手を握って、お母さまと3人で並んでいるものもありました。本で知る限り(「山猿記」の記述など)、兄の症状は重かったととらえましたが、私もダウン症の子を持つ親、お顔立ちを見る限りそれらしくはありますが、比較的状態は良好だったのではと思いました(15歳で肺炎で亡くなってしまいましたが・これも今の医学なら救えたのではと)。

次女・佑子さん(本名:里子さん)が生まれて数カ月でこの世から旅立った父親・太宰治の姿は、あえて今回は外したのか《主催側の意向&佑子さん側の思いからか:父親への複雑な感情は最期までつきまとったのでしょう・「(父のことは)書き残したい」と言っていたそうでそれが未完に終わったことは、この世界で遊ばせてもらっている者としてはとても悔やまれます》、親子一緒に映っている写真はありませんでした。あったとしても、佑子さんは乳飲み子の時となります。
そして、私の知る限り、太宰と長女・次女との3ショットは公表されていますが、今まで太宰と長男の写真はありません。それを勝手にさみしく思っていたので、お母さま(美知子さん)と子ども3人が絡むショットとたくさん出会えたのは、今回のわかりやすい収穫の1つとして素直に嬉しかったです。

期待していた「火の山 山猿記」(『純情きらり』の原案)の展示物は少なかったのですが(本当は「山梨」の家族の話ですがNHK朝ドラの都合上「愛知」を舞台にしていたことを最後まで津島さんは山梨の方たちに申し訳ないと気にかけていたそうです・なので「原作」ではなく「原案」と表記することにこだわった)、津島さんの文学者としてのスタートや、どんなふうに歩んできた人生だったかは、たくさんの直筆と共に見ることができました。晩年の書斎の風景もステキでした。
まだまだ書きたいことはあるのですが、今回得た資料も読み込めていないので、前述の講演会と合わせてまた~☆(お待たせすると思いますが・苦笑)。
フランス文学者である堀江氏の作品も、徐々に読んでいきたいと考えています。私と年齢が変わらないことにおいても興味を持ちます(もっとも素晴らしすぎる方ですが、朴訥なお姿から徐々に醸し出されていく深みには本当に憧れます・かなり近い位置で着席)。

午前中は、常設展(山梨にゆかりの文学者など・母が好きな樋口一葉、そして太宰のコーナーもありました)まで見て、早めに食事をとり、陽の下でぼーっとし(幸せ)、午後は講演を堪能、甲府駅ビルでふらふらショッピングのあと、高速バスに17時すぎに乗車。行きは1分も違わず到着でしたが、考えたら3連休最終日、ましてやトランプ氏来日もあったのか、大渋滞、予定の倍以上かかってしまいました。大誤算。やっぱり列車には叶わないなぁ。
そんなわけで、翌月曜はいつにもまして午後は眠気と闘う日となりました。
【時間的に難しく「美術館」は併設レストランを利用したのみでした。またの機会、あるかなぁ~。】
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《太宰や津島さんに関しては、右カテゴリーにある「太宰治と家族たち」「純情きらり」、また「太宰をたずねる旅」へ。興味のある方はどうぞ。》
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