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寂しい生活 [稲垣えみ子さん]

寂しい生活

寂しい生活

  • 作者: 稲垣 えみ子
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2017/06/16
  • メディア: 単行本

稲垣えみ子さんの詳細はこちらで。待っていました、の新刊です。
読み終えて、大量の付箋がついてしまい、どうしましょ、で、心に響いたのを厳選して。
我が家の電子レンジ、このところご機嫌ななめで調子が悪い。一番使っている機能は「トースター」(笑)。次に「あっため(ごはん中心)」。ガスレンジの魚焼きでパンは焼けるし(但し焼けすぎないよう気をつけなくてはならない・裏返す必要もある:この焼き方の方が美味しいのは知っていた)、どうにかなりそう。もうその時は処分してもいいや(もう買い替えない)と。ちょうど稲垣さんの本を読んだのもお告げ、の気分デス。

【いろいろあって、いろいろ考えて~ちょっとずつ、別れを告げることにしました。
贅沢な消費。電気。持ち物。ガス。水道。広い家。そして会社。】
【その暮らしと言えば、電気代は月150円台、洋服も靴も例のフランス人レベル(10着)しか持たず、~日々の家事は手足と試行錯誤でこなし、食事はカセットコンロで炊く飯と味噌汁と漬物。さらにはガス契約もやめてしまったので二日に一度の銭湯が最大の娯楽という体たらくの独身51歳である。】

【~何はともあれテレビをぱちっとつけていた。「とりあえずビール」ならぬ「とりあえずテレビ」である。なぜだったのだろう。】
【リモコンという手段を封じてみると~窓の外から風の音やら虫の鳴き声が聞こえてくる。~ついぞ気がつかなかったサウンドであった。なるほど「風流」とはこういうことであったのか。】

【なにも家の中でマフラーをしてはいけないという法律があるわけじゃない。】
【そしてそして、厳しい寒さが少しずつ緩んできた時の、まったくもってあの心の底から湧き上がるような喜びというかなんというか!】
【8月のものすご~く暑い日にふと「あ、秋が来たな」と思う時がある。~そして2月のめちゃくちゃ寒い日に「あ、春が来たな」と思う。~しかしこうなってくると、もはや仙人の領域ではないだろうか。】
【ちょっと暑いから、ちょっと寒いからとエアコンのスイッチを入れているあなた。~この素晴らしい変化を排除し、春と秋を消し去っているのかもしれませんぜ、っていうか、絶対消し去っているよ、それでもいいんですかというのが仙人のお告げであります。】

【あれほど「なければやっていけない」と信じていた家電が、「なくてもやっていける」どころか、「ないほうがむしろ楽」「面白い」「意外に豊か」という驚きの事実が次々と明らかになった。】

2014年12月、著者は冷蔵庫のプラグを抜く。食料の保管には制限がかかるように。
【慣れてくると、今日の献立だけを考える買い物はシンプルで迷いがない。お金もかからない。余分な食材の一切ない台所は実にすっきりしている。】
家庭では、24時間動いている冷蔵庫が最大の電力消費家電だろう。今、私は冷蔵庫を手放す勇気はないが、今度買い替える時には、極力小さいものに絶対する!
よくよく考えれば、スーパーは徒歩圏にあるのだから、そんなに量はいらないのだ。その方が、何が在庫で残っているか、把握できて、無駄遣いしないに決まっている。

【(セットとして一式持っているが)フォークやナイフで食べるようなものなんてそもそも最近ほとんど作ってないじゃん、そういう寂しい人生であるってことをいいかげん認めよう。もう50も過ぎたんだからさ。】
家では質素に食事をして、美味しいものは外食で、という決断もありなんだろう。

【洗濯機を捨てたら、タオルやら下着やら布巾やらの量も格段に減りました。手で洗うと大量のものを一気に洗うことができないので、その日の汚れ物はその日に洗うようになった。結果、予備のストックを持つ必要がなくなった。】
【~どうしても捨てられなかった山ほどの洋服も本も調味料も鍋も化粧品も家具も、一転して「そんなにいらないじゃん」というお坊さんのような心境になり、そうしたらもう小さな家で十分ということになり、~家が狭くてモノがなければ掃除もびっくりするほど単純で楽。
つまりは家電を捨てたら、家電が膨らませていた欲も一気にしぼみ、そうしたら家事なんて本当にシンプルで単純で、わざわざ電気の力をお借りするまでもないのです。】

【ちなみに、今我が家にある家電は、電灯、ラジオ、パソコン、携帯。以上である。】
→あれ、パソコンは手放せないのですか、、、。これは執筆業もあるし、致し方なし? まぁ、テレビはないし(無駄なネットサーフィンはまずしていないでしょう)。この書き方では、「スマホ」なのか定かでないですが、私もパソコンはあるので、スマホにはしない主義(今はガラケーでずっといく予定)。
あとは最初に書いたように、まず?は「電子レンジ」とおさらばできるか、が手始め?でしょうか。
一般論として、著者の生活を真似できるかといったらまず難しいでしょう。たしかに極端、ではあります。
稲垣さんの本は、そこに至る理由の詳細は少し違いますが(震災による原発事故が電気を使わない生活へと導いた)、カテゴリー的には『整理整頓をめざして』に近いのかもしれませんね。

目が覚めた文章はもっともっとたくさんありました。間違いなく人それぞれに刺激のツボがあるはず。この一冊は、特におすすめかも。
(もちろん、それは「さびしいせいかつ」ではないわけで。原点「ゆたかさとはなにか」です。)
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