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夜を乗り越える [よんでみました]

夜を乗り越える(小学館よしもと新書)

夜を乗り越える(小学館よしもと新書)

  • 作者: 又吉 直樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/06/01
  • メディア: 新書

又吉さんの新書。2013年よりこれで6冊借りたことに。
【本は僕にとって必要なものでした。自分を不安にさせる、自分の中にある異常と思われる部分や、欠陥と思われる部分が小説として言語化されていることが嬉しかった。「自分は変ではない。あるいは、人なんてみんなどこか変な面があるのだ」と知ることができました。本は自分の生活に直接反映されるものでした。】
【(~略)ごっそりカットするのではなく、内容はそのままで言葉を置き換えて圧縮する作業を続けました。例えば、「精神内部で違った方向に進む力と力がぶつかり合う状態」という文章を、「葛藤」という単語に置きかえ文字数を短くできた時の感動は、テトリスでずっと待っていた長い棒がようやくきた時と同じような快感をもたらします。】
【僕が本を読んでいて、おもしろいなあ、この瞬間だなあと思うのは、普段から何となく感じている細かい感覚や自分の中で曖昧模糊していた感情を、文章で的確に表現された時です。つまり共感です。】
【人間は完全ではありません。完全でありすぎるとしんどいかもしれません。自分に自信を持つことはいいことですが、自分がわからないものを否定し遠ざけ、理解できること、好きなことだけに囲まれることは危険です。わからないものを否定して拒絶を続けるなら、その先は争いしか生まれないと思います。自分と考えの違う人間や文化をも拒絶することになってしまう。それは本当につまらないことだと思うんです。すべてに共感するのではなく、わからないことを拒絶するのではなく、わからないものを一旦受け入れて自分なりに考えてみる。
本を読んで共感するということは、間違いなく読書の中で重要でおもしろい部分です。でもそれが本のおもしろさの半分。残りの半分は新しい感覚の発見だと思います。】

付箋は多数付き、厳選して書き残しました。
昔のいわゆる名作といわれるもの(+現代小説も)を、かなり読破している様子。
ここで挙がっているいくつかを、又吉さんと比べるとだいぶ時期は遅くなりますが、私の残りの人生でなるだけ早く読みたいと思います。
そうしたら、また自分の中の世界が広がっていく…ということですよね♪
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