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「芸術力」の磨きかた [よんでみました]

「芸術力」の磨きかた

「芸術力」の磨きかた

  • 作者: 林 望
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2003/06/17
  • メディア: 新書

もう定かでないのですが、どなたかが勧めていて。リンボウ先生、ここにはもう記録のない(HP『衿とAyu』時代に)ものも含めると結構あったと思います。
それほど特記事項はありませんが(正直ちょっと鼻につくところもあったかと)、この新書のたぐいはみな、こういう「話し口調」の文章なのでしょうか。それもよい時があるとは思いますが、私は好まないです(はて、本当にご本人が執筆したのか、口述ではないか等、疑いたくもなる)。

【『仕事は人生に必須のものではない』ー
~働かなければ、食べていけない。食べていけなければ、もちろん歌うこともできない(※著者、声楽や能楽に本格的に取り組んでいる)。そういう意味では、仕事も生活する上で欠くべからざるものに違いない。
しかし人生にとって、それがほんとのところで必須のものであるかとよくよく自問してみると、そんなことではないのではないかと囁く声が聞こえる。~たとえば私が億万長者の息子か何かで、不自由なく暮らせるだけの財産があったとしたら、どうでしょうか。たぶん、汗水たらして働くことはしないと思います。
けれど、そんな身の上だったとしても、何かしら「遊び」は必要です。いくらお金があったって、それだけでは索漠とした退屈な人生になってしまう。~そう考えてみると、仕事はなくても生きていけるが、遊びはないと困るんじゃなかろうかという理屈にもなるわけです。これが屁理屈のようでじつは屁理屈ではありません。それで、まあ、遊びにもいろいろあるわけですが、私の場合は芸術活動に勝る遊びはないと思っているんですね。
つまり、仕事は生きていくために厭でもやらなければならないものであり、芸術という遊びは豊かな人生を送るためにはなくてはならないものだ、と私はそう位置づけています。~】

【~何年か前に、ある地方の美術館から、イギリスの風景画について、図録に載せる論文を寄せてほしいと頼まれたことがありました。~私としては、「よく知らないから」と断ることもできたんですけれども、そこは持ち前の探求心というものが頭をもたげまして、これもイギリスの風景画について系統的に勉強するいい機会だと思って引き受けました。】
→そして、徹底的に調べ、考え、辿りつき、それが評価される実力がある方だから…なんですけれど~。

『イギリスはおいしい』で知られることとなった1949年生まれの著者ですが、実は専門は国文学。そして、お父様が著名だったことは初めて知りました。父親のゴーストライターをやって(「ちょっと書いてみるかい、原稿依頼なんだが」と)、培われた文章力が下地としてあったそうです。
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