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抱きしめる、東京 [森まゆみさん]

抱きしめる、東京―町とわたし (講談社文庫)

抱きしめる、東京―町とわたし (講談社文庫)

  • 作者: 森 まゆみ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1997/04
  • メディア: 文庫

森まゆみさん作のエッセイ系なのに、読んでいなかったもの。幼い頃からの東京いろいろを書いているが、自身の歩んできた道をも綴っている。元ご主人との学生時代の出会い、初めての子どもを授かった時、タウン誌の仕事を始めた頃など。
もちろん、すべてを書いてはいないだろうが。相手への深い配慮がわかる。

【とうとう夫は1991年(平成3年)の夏に家を離れた。そして私は子供3人と4人世帯の家長になった。町にのめり込んで家庭を壊した。そのことが長く心を責めた。しかし落ち込んでばかりもいられなかった。“谷根千”の雑誌からの給料ではとうてい生活できないので、私は外の仕事をそう断れなくなった。その夏から翌年の春まで、私はほとんど布団に寝た覚えがない。冬中はコタツで原稿を書き、明け方疲れると横になって1、2時間ほど仮眠し、また起きて子供を学校に送った。~】
以前の著作で、北海道出身だった夫の実家は、冬暮らしが長いからかとても家の中がきれいで、自分は真似できないと思った…というようなことを書かれていた。
育ってきた環境の違い、は大きい。夫婦というのは、相手を思いやり、折り合って、寛容に過ごせるかどうかなのだと思う。
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