歳月

歳月

• 作者: 茨木 のり子
• 出版社/メーカー: 花神社
• 発売日: 2007/02
• メディア: 単行本

茨木のり子さんの死後に初めて発表された、30年前に亡くなった医師の夫への想いを綴った詩集。無印良品の箱に、詩たちがきれいにほぼ順序まで指定されて残されていたそうだ（タイトルだけがついておらず、発見した甥っ子さんは悩んだという）。
その中には、それまでの茨木さん作品にはみられない、なまめかしいものまである。とにかくどれもこれも夫への愛が詰まったもの。これは最高のラヴ・レターとしかいいようがない。
私が好きなのは「急がなくては」、冒頭の「五月」、まさかこれが最後の食事となると思わず簡素に作ったという「最後の晩餐」、「町角」、「恋唄」。
茨木さん関連では、近いうちにあと2冊読む予定。またそちらに詳しく書くことになると思う。
久しぶりに読んだ詩集。研ぎ澄まされていてやはりいいなと。時々、この世界に戻るのは必要かもなと感じる。