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ぼくたちに、もうモノは必要ない。 [整理整頓をめざして]

ぼくたちに、もうモノは必要ない。

ぼくたちに、もうモノは必要ない。

  • 作者: 佐々木 典士
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2015/06/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

1979年生まれ。出版社のみを志望し、3年間就活。学研を経て、現在はワニブックス勤務。その、働く出版社からの刊行です(ヒット作となったのですし、もう「編集者」でなく「著者」になったか!?・現時点では独身とのこと)。

付箋つけまくりとなりました。もう買って(例によって順番待ちで借りる)自分の本としてマーカーした方がよいと思いましたが、『ミニマリスト』は余計なものを持たないのですから(笑)、いつも通り心に止めておきたい箇所を残させてもらうことにしました(それでも、やっぱり読み返したくなったら、その時に購入すればよいのです←これがミニマリストのやり方)。

【本書では、①自分に必要な最小限にすること、②大事なもののためにそれ以外を減らすことを「ミニマリズム」。そうする人のことを「ミニマリスト」と呼んでいます。】
【モノが少ない、幸せがある。だから、ぼくたちに、もうモノは必要ない。~ぼくはモノが少ないことのすばらしさを、この本で伝えたい。】

【お前の仕事はお前じゃない。お前の銀行残高はお前じゃない。お前はお前が乗り回している車じゃない。お前の財布の中身はお前じゃない。そのくそったれなブランドも、お前とは一切関係がない。(ダイラー・ダーデン『ファイト・クラブ』より)】

【そもそも手に何かモノを握りしめて生まれてきた人は1人もいない。だから生まれたときは誰しもがミニマリストだった。必要以上のモノを握りしめるたびに、ぼくたちは自由を奪われていく。】

【旅出かける前、出発ギリギリまでパッキングに明け暮れる。必要な荷物リストをチェックしても、何か忘れているように感じてしまう。もう出発の時間だ。なかば諦めながら、玄関のカギをかけ、スーツケースを転がし始める。そのときに感じる解放感。そうだ、このスーツケースひとつあれば、しばらく生きていける。もしかしたら家に何か忘れたかもしれない。でも、必要なモノがあれば、そのときに手に入れればいいのだ。
宿泊先の旅館に到着し、畳に寝転がったときの心地よさ。旅館の部屋はキレイで、モノも少ない。いつもぼくたちを煩わせている余計なモノがない。だから旅館は心地がよいのだ。
~こんな風に誰でもミニマリストの境地は体験したことがあるものだ。もちろんその反対の境地も。~】
【モノを手に入れるため、手に入れたモノを維持・管理するために、ぼくたちは時間もエネルギーも使い果たしている。~道具だったはずのモノたちは、いつしかぼくたちの主人となってしまう。】

【お酒は幸福ではなく、不幸の一時停止。そんな言葉を聞いたことがある。その通り、ぼくはみじめな(当時の)自分を、一瞬でいいからとにかく忘れたかった。】
【~ぼくはモノを捨てることで変わり始めている。モノが多すぎると、確実に損なわれるものがある。以前のぼくのように、もしも不満だらけで不幸だと感じているなら、モノを少なくしてみることで、必ず何かが変わるはずだ。】
【大事なものを大事にするために、大事でないものを「減らす」。大事なものに集中するために、それ以外を「減らす」。】

【ミニマリストが生まれるためにはいくつかの欠かせない条件があったと思う。簡単にまとめれば次の3つだと考えている。①増えすぎた情報とモノ ②モノを持たないで済む、モノとサービスの発展(スマホやカーシェアリングに代表されるいろいろ) ③東日本大震災。】
…著者は、たとえれば『重くなって早く動かなくなったパソコン』を想像すればわかると述べています。データや起動しているアプリを減らせば、サクサクと身軽に動くのです。
また、「ぼくらはスマホで何でもできる」とも。電話、カメラ、テレビ、オーディオ機器、ゲーム機、時計、カレンダー、懐中電灯、地図、メモ帳、手帳。重い辞書も、通販カタログも、アルバムもいらなくなったと。
今回の災害(LINEは東日本大震災の経験から生まれたといいますし)でも、スマホは元来の携帯電話より威力を発揮しているのかもしれません。そろそろ私も持ってもいいのかなと思います。
この本を読んで、もしも将来スマホを持つなら「iPhone」と決めました(これほどのシンプルはないと。Apple社ジョブズの精神の素晴らしさを再確認☆)。しかし、現在使用しているAyuのケイタイの所在確認機能とは相互関係が難しい事情もあります。
それに、私は何といっても、人々が揃ってスマホをのぞき込んでいる姿(特に歩行中)が好きではありません。今のところは、できるだけ長く「アナログ(優先)で感じる人間」でいたいです(スマホはたびたびの充電が必要なのも気になります・まぁ携帯用充電器もあるでしょうが)。

【捨てることは「失う」ことではなく、「得る」ことである。】
【ぼくは汚部屋時代からすると、持ちモノを5%まで減らしたと思う。1000個モノがあったとしたら、950個は捨てたのだ。】そう聞くとスゴい。
【1年使わなかったモノは捨てる。←来年もそれなしで問題なく過ごせる。1年に1回も出番がないモノを手元に置く必要はない。ただひとつ災害に備える非常用の装備だけは別だ。】
【永遠に来ない「いつか」を捨てる。「いつか」はもう手放そう。「今」必要でないモノは、この先もずっと必要ない。】
過去に執着していると、新しいことは入ってこなくなる。過去に必要だったモノとすっぱり縁を切らないと、一番大事な「今」はいつまでも無視されてしまう。】

【~ルールを貫徹するために、「ハンガーの数を決める」という方法もある。新しい服を買っても古い服を手放さなければならないので、それ以上に服が増えていくことはない、というわけだ。】
【ミニマリズムを進めていると、モノを選ぶ基準がはっきりしてくる。だから新しいモノを買うときも迷う時間がなくなる。ぼくがモノを選ぶ基準は、形がミニマルで表面積が小さく掃除がしやすいこと、色がうるさくないこと、長く使えること、作りがシンプルなこと、小さく、軽く、コンパクトにできること、1つでも多くの機能を持つこと。】
私自身はちょっと違います。「多くの機能を持つ」より、たった1つの機能に優れていることを望みます。たとえば、はさみとナイフの両用となるすぐれモノより、私はよく切れる単純な使いやすいはさみが欲しい。それに、小さい文庫本より、活字が大きく、存在感のある単行本に惹かれもします。コンパクトが何もかもいいとは思いません。

【部屋にモノを置かず、ミニマルにしていると、掃除にかかる時間は激減する。服を少なくすると洗濯の手間も減るし、今日何を着るか、迷う時間も減る。】
【家の中が簡素でキレイだと、ダラダラしている時間も減る。】

この人の引っ越しには時間がかかりません。荷解きを入れてもすべてが1時間半で終わったといいます。そして、さらに狭い家に引越ししたいと。今の部屋は20㎡。どんどん家賃も安く~(¥67000)。iPhoneは手放せないそう。すべて自炊&お弁当男子になれば、手取り10万円あれば楽しく暮らしていけるし、図書館で本を読んだり、公園を散歩するだけで、もう充分楽しいと。
【身軽になれば、どこへでもすぐに行けるようになる。他人の目線が気にならないので(なにせ自分の価値観がはっきりしている)、失敗を恐れず(転職なども?・収入が少なくなっても過ごせる計算か…)挑戦できる。楽観的になれる。】

集中力が高まる。自己に徹する。】
【もはや増えすぎた情報をいかにたくさん得るかでなく、いかに距離を置くか、いかに「ムダな時間を減らすか」ということの方が今は問題だ。スマホを持っている人なら、ほとんど無意識のようについつい手が伸び、メールチェックしたり、ブラウザでリンクを踏み続けたり、ゲームに明け暮れてしまった経験があるだろう。受け取るべき情報を減らし、アンテナを広げるのではなく、「アンテナをたたむ」ことがもはや切実な課題だ。】
パソコンもしかり。

ここまでを整理。
【◎モノが少ないので広い家が必要なく、家にかかるお金が少なくて済む。
 ◎モノを買うとき、真剣に吟味するのでムダ使いがなくなる。
 ◎すでに持っているモノに満足しているので、物欲自体が薄くなる。
 ◎ストレスが少ないので、ストレス解消のための食費や消費がなくなる。】
おっ、自然とダイエット(スリム)になるハズですね、これは。
…では、ミニマリストが増えたら、日本経済は崩壊するか? いや、ミニマリストこそ、本当に欲しいモノには糸目をつけないと。
それと、著者はモノより「経験」と「人」にお金を使っていくつもりとありました。目に見えないモノへの消費(に使う)、なんとも素敵です。自分が本当に大事だと思う場所に使う、です。

【モノを持たないぼくには、ゆったりとした時間がある。毎日の生活を楽しめ、生きているだけでも充分という気がする。人とはもう比べないので、みじめな気持ちにはならない。将来の不安におびえることもない。】経済的にも、ですネ。
【何よりぼくが変われたのは、モノを減らして気づけた「感謝」である。すべての「今」に感謝し続けたい。すべての「今」を肯定的に見続けたい。ミニマリズムは「目的」ではなく「手段」である。ミニマリズムを通して気づけた大事なことがたくさんある。】

巻末に、「捨てる方法最終リスト 55!!」があります。「さらに捨てたい人へ追加リスト 15!!」も。だいたい、上記にあることの要点ですが、これを知りたいだけでも、結局この一冊はとり出しやすいMy本棚にあっていいと思います(笑)。
デッドスペースはデッドスペースのままにする もずしんと。ついモノで埋めてしまいがち。「余裕」を持たせることは、あとあとの「余裕」にもなることは前にもおしえてもらっていたはずでした。
(巻頭図版にある「世界一周できるミニマル・バックパック」も興味深い。これが災害時のリュック用意のヒントにもなりそう。)

長くなりました。引用量からも一目瞭然、類書の中でも間違いなく説得力のある一冊です。
まだまだ私にはほど遠い世界ですが、でも年始の整理で、毎日の気分は自然と上昇しました。確実な効果でした。でも!油断すると、まず紙類からモノは増えてきます。時々気を引き締めなければ(1、2カ月に一度は軽くMy部屋を見渡して整頓)、残念ながらいとも簡単に元の「あの頃」に戻ってしまうのです。
…ほんとうに「ミニマリスト」までなれたなら、そんなこともないのでしょうね(ちょっとモノが増えただけで目にうるさくなる→すぐにきれいにする、でしょうから)。
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