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何者 [よんでみました]

何者 (新潮文庫)

何者 (新潮文庫)

  • 作者: 朝井 リョウ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/06/26
  • メディア: 文庫

直木賞受賞作。著者は1989年生まれ。わー、Ayuとはわずか3つ違いの若者。オードリー若林さん司会の番組でも頻繁に出演していました。当初は二足のわらじで、今は作家業に専念。ということは「就活」経験者ということで、この作品が生まれたか。

今時の「就活」を私は我が子からは知るよしなしで、その世界に入り込めるかなーでしたが、意外と場面は浮かびやすく、先を気にさせながら最後まで読ませてくれたと思います。「ネット事情」ふんだんで、現代等身大ということなのでしょう。月並みですが、やはりその弊害も強く感じました。

拓人とルームシェアする光太郎はいいやつ、ですね。皆から愛される。拓人が信頼するサワ先輩(ネットとは無縁)も「あいつと一緒に住んでるなら、精神的に健康でいられるだろうな」と。
この先輩は「ほんの少しの言葉の向こうにいる人間そのものを想像してあげろよ、もっと。」→ネットの中の言葉をすべてと思わずに、 と諭します。

光太郎を今も好きな瑞月に、拓人は本当は思いを寄せていて、その姿はとてもいじらしい。そんな拓人、ラストで追い詰められます。これ以上は書けませんが…。
後味がよいかといえば、まったくその逆ですが、ほとんどが拓人たちの部屋の階上で男女数名が就活に関してワイワイやっている話。これだけで膨らませられるのは、やはり期待大なのでしょう。

【試験会場にひとりだけ私服で来ているということよりも、受付の一時間近く前に会場に着いているということのほうが、隆良《※階上の部屋で女子と住んでいる》という人間のことを雄弁に語っているように思えた。】
世間に背を向けている風にふるまっている男が、実は人並みに企業まわりをしている-。

映画になっているのかな…だとしたら、場面がバリエーションなくて難しいか、いいや企業説明会みたいなシーンを増やせるか…なんて思っていたら、この表紙にあるように既になっていましたね。この顔ぶれ見ただけで、配役はすぐわかります。有村架純チャンは一発で瑞月だわね。

(架純チャンの「ひよっこ」はいよいよ佳境ですね。伏線通り、朝ドラ連チャン出演の菅野サンがかくまっていますねー。久々に朝ドラから目が離せません。…佐賀の男は意外にサーっと去っていったわね。大家さん曰く、100年経っても実らないものは実らないのでしょうか。私はコック修行中の彼の方がいいなぁ。)
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