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大橋鎭子と花森安治『暮しの手帖』二人三脚物語 [よんでみました]

大橋鎭子と花森安治『暮しの手帖』二人三脚物語

大橋鎭子と花森安治『暮しの手帖』二人三脚物語

  • 作者: 塩澤 実信
  • 出版社/メーカー: 北辰堂出版
  • 発売日: 2016/03/29
  • メディア: 新書

『とと姉ちゃん』がらみで、母が読んだあと、私が。
『暮しの手帖』はちゃんと手にしたことはない。正直、現代では流行らない、と思う。それでも、広告をとらず、だからこその商品テストを続けている稀有な雑誌であることはみな知っている。

ドラマはいよいよ誕生期(創刊)にかかってきましたね。以前から書いてますが、私は「本を生みだす=出版社」には永遠の憧れがありますので、『花子とアン』の時とちょっと被る、出版・印刷まわりの展開には注目しております。

編集長・花森安治氏のエピソードはいろいろある。
創刊号「自分で作れるアクセサリー」の一文より。
【美しいものは、いつの世でも お金やヒマとは関係がない みがかれた感覚と、まいにちの暮しへの、しっかりした眼と、そして絶えず努力する手だけが、一番うつくしいものを、いつも作り上げる】

【(名だたる執筆者宅へ)原稿依頼に廻ったのは、大橋鎮子と妹の芳子がほとんどだった。(略)~原稿依頼に行くとき、「髪と、爪と靴をきれいにして行きなさい」と言い、訪問先で女中が出てくるかもしれないが、誰が出て来ても、奥さまだと思って、ていねいに挨拶するよう注意を付け加えた。】

『暮しの手帖』は昭和31年、菊池寛賞を受ける。『文藝春秋』に載った浦松佐美太郎氏の文章より。
【~いい雑誌は、ページ数ではなく中身がずっしりと重く、編集の丹念さが、まるで掃除の行き届いた住宅のような美しさを作り出しているのだ。『暮しの手帖』が成功した秘訣などというものはなさそうである。結局は、この編集部の誠実さということにすべてが帰着するのである。そしてこのことはまた、婦人雑誌だけでなく、ジャーナリズム一般にとって、大切なことを反省させることともなるだろう。こんどの受賞は、その意味でも大きな意義があったと言える。~】

この本にたくさん付箋はついたのですが、何が一番印象的だったかといえば、私はこれでした。
【久子(鎮子の母)の『暮しの手帖』に対する驚嘆すべき献身は、亡くなるまで『暮しの手帖』を、自分の金で、町の本屋から買いつづけてくれていたことだった。】
もらって当然だったのに、毎号買っていた母親の存在。

今の『暮しの手帖』といえば、前編集長松浦弥太郎氏を思い出さないわけにはいかない。
昨春に、料理サイトを運営の『cookpad(クックパッド)』へ転身したのには驚いた。「時代かなー」(紙よりネットかぁ~)と。
今はこちらをやっているらしい。くらしのきほん…なんだか似ている・笑。
まだよく見ていませんが、雰囲気はここで継承しているのかな。
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