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花桃実桃 [よんでみました]

花桃実桃 (中公文庫)

花桃実桃 (中公文庫)

  • 作者: 中島 京子
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/06/21
  • メディア: 文庫

中島京子さんは、2冊目でしたが、いいです~。
1964年生まれ。私と同世代だからでしょうか。
43歳シングルが、亡父より受け継いだアパートの大家となる話。

解説より。
《主人公に肩入れしすぎることも、突き放しすぎることもない。抑制のきいた筆致が、品のあるユーモアを生みだしている。~人生における初秋ともいえる40代を、上げることもなく下げることもなく描いた小説。~ひとりの女性が積み重ねてきた時間の豊かさを感じることができる。》

文庫のp66、大家族をフォローする主人公・茜の台詞に泣いた。こういうこみあげ方の涙は久しぶりな気がする。ありがとう、と言いたい。
登場人物の中のひとり、同級生“尾木くん”の存在は、大きいような、小さいような。
…この本、映画化して欲しいな。では誰が? でふっと自然に浮かんだのは、小林聡美さん。だとすると、尾木くん役は必然的に「尾美としのり」さん?・笑。
私には『小さなおうち』より響いたかも。情景が浮かぶ小説だった。懐かしくもあった。

…年末にかけて、絲山さんの「離陸」、中島さんの「花桃実桃」と、連続ヒットでした。
「お話」は確実に現実と違う世界へ精神を連れていく。そういう時間をたくさんの人に与えてくれる「小説家」って、やっぱりすごいと思う。

~今年の読書記録はこれで終わりです。残すのに値しない読後の本はあえてもう記載せず・苦笑。本年も「衿BOOKS」(右マイカテゴリー:よんでみました、アガサ・クリスティー等)に目を通して下さった方、ありがとうございました。~
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