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そよ風の手紙 [よんでみました]

そよ風の手紙 自閉症児りょうまとシングルファーザーの18年 (父が息子から教わったこと)

そよ風の手紙 自閉症児りょうまとシングルファーザーの18年 (父が息子から教わったこと)

  • 作者: 新保 浩
  • 出版社/メーカー: マキノ出版
  • 発売日: 2013/06/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

1965生まれの父親が、94年生まれの自閉症のりょうまくんをひとり育てる、その歩み。
3歳4カ月で精神発達遅滞と医師により診断。

5歳、音の問題でマンション階下の住人からのクレーム増加(自傷行為、パニックなど)。
【6歳、再びクレーム。この頃から、妻の精神的な疲労は頂点に達しました。私は、一戸建てに住むための早急な検討を始め、マンションの買い手をすぐに見つけ出しました。しかし、妻の精神状態はすでに限界を超えていました。妻の負担を取り除かなければ、大変なことになる-私は直感的にそう感じました。
最良の方法には何があるだろうかと、考えに考えました。そして、離婚して私がりょうまを引き取ることがベストではありませんが、この時点で考えられるベターな選択であるという結論に至ったのです。】
著者は、自分の両親、つまりりょうまくんの祖父母と一緒に実家で4人で暮らすことになります。
その後、彼のことはもちろん、高齢の親の足腰・認知症の問題も抱えながら、先を見据えてこつこつと行動していくところがすごいのです。
≪小4・9歳~高等部3年・18歳までの多感な時期は、それらの諸事情で親元から離れ、福祉を利用、りょうまくんもがんばりました。≫

お父さまは、りょうまくんを9歳で入所させ、勤務をしながら、彼が12歳の時には“社会福祉士”の資格を取得(14歳頃、NHKなどで親子の姿がとり上げられる)。その後、退職。介護技術を学ぶための専門学校の半年コースに入校。りょうまくんが卒業する18歳には、“福祉環境コーディネーター(2級)”の資格を取得。りょうまくんは、学園を退所し、自宅生活に(もう、お父さんは家にいてくれるようになった~)。
お父さまは、HP『そよ風の手紙』の更新を終了、「一般社団法人そよ風の手紙」を創業。

父親の大きな包み込む愛あってこそ…紹介できませんでしたが、その過程には大きく手がかかったこともありました。そこで揺らぐことなく、着々と、人生設計をしてきたのだと思います。ご自分が息子さんだけにでなく、社会にできることは何かと。
その一方で、どうしても耐えられなかったお母さまの存在も忘れてはならないと思います。
人にはそれぞれ超えられる壁の高さがあるのだと。
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