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おひとりさまの老後 [我が家の介護いろいろ&認知症関連]

おひとりさまの老後 (文春文庫)

おひとりさまの老後 (文春文庫)

  • 作者: 上野 千鶴子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/12/06
  • メディア: 文庫

文庫化されたのを気に、初めて手にしました。75万部のベストセラーだそうです。文庫でも、活字は大きく、高齢者への配慮もみられます。
【長生きすればするほど、みんな最後はひとりになる(シングルが増えてくる)。】
【《シングル女性のための都市型集合住宅について》朝食は各自で、昼食は希望者だけ、夕食はいっしょにダイニングでとる。食事は自分の部屋に持ち帰ってもよい。~生協系のシステムがあり、主婦の経験者たちが材料と価格に配慮しながら“おふくろの味”をつくってくれる。】
年老いてからに限らず、大学生などでも、『個室はあるけれど、同じ建物の中で共通スペースがある住まい』、私はいいのではと思っている。安全だし、それくらいのつかず離れずの知人の存在は、ひとり暮らしの救い、になるのでは。

【ある朝ぽっくりを願っても、そうは問屋が卸さない。~まず足腰が立たなくなり、寝返りがうてなくなり、嚥下障害がはじまり…。このプロセスをゆるゆるたどるのが人間の死で、そうなれば寝たきり期間は避けられない(←平均8.5カ月)。】
【発見が遅れると遺体が“モノ”としてやっかいな存在になる。】
時間が経つほど、そのあとの処理・処置が大変。ウジだってわいてくる…。
【①死んだら時間をおかずに発見されるように、密でマメなコンタクトをとる人間関係をつくっておくこと。②遺したら残された人が困るようなものは早めに処分しておくこと。③遺体・遺骨の処理については、残されたひとが困らない程度に、希望を伝えておくこと。(略)⑤以上の始末が最後までとり行える程度の費用は、謝礼とともに用意しておくこと。ひとが動く費用はタダと考えないこと。】
【あたりまえのことだけれど、遺言は生きているあいだに書く。遺言は死ぬためにではなく、生きている自分のために書くものだ。生きているかぎり人間関係も変われば、考えも変わる。だから遺言には日付が必要で、日付の新しいもののほうが古いものより有効、というきまりがある。遺言とは、実際に死ぬまで、何度もバージョンが変わって当然なのだ。
わたしは40代のはじめに生まれてはじめて遺言を書いた。きっかけは外国滞在(飛行機に何度も乗るので)。~それから何回か、人間関係が(それに男も)変わるたびにバージョンを書き換えてきた。】
【《どんな葬式をしたいか》~旅立ちの支度だから、どこか遠い国へ旅行に行くように、あれこれ楽しく準備すればよい。】

コクヨS&T エンディングノート<もしもの時に役立つノート> LES-E101

コクヨS&T エンディングノート<もしもの時に役立つノート> LES-E101

  • 出版社/メーカー: コクヨ
  • メディア: オフィス用品

↑これ、私は2年程前に店頭で見てこりゃいいと買ったのだけど、まだ1つも記入していません。自分の備忘録としても書き込んでおくべきなのですが。今年は手をつけたいものです。

【(遺骨について)友人の美智子さんは、母親の形見のイタリア製ロケットに母の遺骨のかけらを入れて持ち歩いている。それが母を悼む彼女の弔いの流儀だ。】

著者の上野さんは、1948年生まれ。東京大学名誉教授。ジェンダー研究、社会的発言など説明するまでもない。おひとりを通されているようだが、男性との同居もあったようだ。
同感できるところと、そうではないんじゃない?が、私にはたくさんありました。
【女に男並みの所得があれば、婚姻制度にほとんどなんのメリットもない。それどころか、現在の法律はあの手この手を使って、女に結婚して働かないほうが有利ですよとすすめている。~】
初版は5年前なので、多少の時代の流れ・違いはあるが、ここまでいうこともないと思うし、私はやっぱり持てるものなら(つくれるものなら)そばに家族がいる人生がよい、と思っている。そして、それを強制することももちろんいけないと考える(それは著者と一緒)。
私自身には、ひとり暮らしの経験は、一切ない。あった方が、経験的によかったのかもしれないし、これからの長い人生、そうならざるをえないこともあるだろう(うまく長生きできれば、みな必然なのだ)。
だけれど、外での小さなグチや、ちょっとした出来事を「ふ~ん」と聞いてくれる(聞き流しでもよい)家族がいないと私はダメだと思うことがしばしばある。電気のついていない部屋に帰るのは出来ればしたくない派だ。自ら望んでのひとり暮らしは、きっとしないなーと。
今も、家族3人が買い物に出かけ、私ひとりで過ごす2時間があると、わーうれしい!と思う反面、ヘンな気さえします。
でも、正月何日も家族といると、ああもういい加減出勤したい、“自分(ひとり)だけ”になりたい、という私が確実に必ずいるんですけどね~~♪
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