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あの午後の椅子 [河野裕子(かわの・ゆうこ)さんと家族]

あの午後の椅子

あの午後の椅子

  • 作者: 永田 和宏
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2016/06/25
  • メディア: 単行本

先日、「河野裕子(かわのゆうこ)さんと家族」というカテゴリーを右にもうけました。久しぶりに、“追ってみようか欲” が出てきました。
夫である永田和宏さん(1947年生まれ・京都大学名誉教授・専門は細胞生物学、そして歌人)の数々のエッセイをまとめたもの。少し前まで、日曜朝のEテレ「NHK短歌」も担当。あの髪は、結婚以来自ら切ってきた、というのだから驚きました。メイクさんに「もしかしてご自分でカットされてますか?」と指摘されたそうです。次の機会にはじっくり見てみよう・笑。
既に書いてきたので、詳しくは割愛しますが、妻を病で亡くし、そのあともこうして歌人として&その他活動されている姿に私は素直によいなぁと思うのであります。
けして、めそめそとはせず。
そして、亡くなったのちも、人は人の中で生きていくこと、もしかすると実際に生きていた時より深い愛となることもあるのだと思わされます。死は終わりではない、と。

あの午後の椅子は静かに泣いてゐた あなたであつたかわたしであつたか
【あつと言ふ間に過ぎた時間と人は言ふそれより短いこれからの時間】
「今となると、再発を告げられたばかりの妻の目に止まることを考えれば、なんという思いやりのないストレートな歌かと思わざるを得ない」とあります。

【相槌を打つ声のなきこの家に気難しくも老いてゆくのか】
何よりもよく話す夫婦だったそう。

…たくさんの本に追われ、拾い読みになってしまいましたが、ゆっくりとこの世界は追ってみます。文中、永田さんが触れていた他の本もあたってみたい。
この4人の歌人家族に、どうしても心掴まれてしまう私です。
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