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「どこへも行かない」旅 journey to NOWHERE [よんでみました]

「どこへも行かない」旅 (光文社文庫)

「どこへも行かない」旅 (光文社文庫)

  • 作者: 林 望
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/03/12
  • メディア: 文庫

文庫、出たばかりですね。
日本国内についてたくさん書いてありましたが、私はイギリス部分を中心に読みました。

【「観光地の観光はしない」「何もしない」「静かに何もしない休暇」
「通過」するのではなくて「滞在」したい。さらに言うならば、「住んで」しまいたい。】
【私はどこに行くにも、原則的に「厨房」が欲しい。地元の店で肉や野菜を買い、それを自分で料理して食べたい。そうあってはじめて、その土地の風光を愛でることができる。】
昨春、旅先ロンドンのスーパーで普通に野菜売り場などを覗いたりする余裕を持ち合わせていなかった私。
次回があるのなら、外食は少なくして、自分で調理することも楽しみにした方がよさそうだ。そうすれば、土地の物をよく観察する(知る)ことにもなるし、味わうこともできる。それには、そういう滞在型のホテルを借りる(泊まる)ことだな。

【そもそも旅という営為は「非日常」の脱出だ。
~仕事の空間とは正反対のところに置くことによって癒したい。
だとすれば、旅に出てまで、人付き合いとか、町の便利さとか、賑やかなアミューズメントなんてものを欲するのは、本来が矛盾している。
~(観光地というもの)その鬱陶しさを私は避けて通りたいといつも思っている。】

林望氏の著作から、私好みの車窓旅(鉄道旅)がきけない理由が今回はっきりわかった。
たとえ、国内の講演・取材で地方に行く時も、決して他人の運転する車には乗らないそうだ。鉄道にもバスにも乗らない。上記の範囲以遠は飛行機で行って、空港からは直ちにレンタカーを借りて運転する。
イギリスやアメリカでも同じだそうだ。
大荷物なこともあるらしい。コンピュータ一式、カメラ一式(著作には自らの写真掲載も多い)をかかさない。
なにより、知らない小道をぐんぐん進んでいける車が好きなのだろう。これでないとこの人の旅は成り立たないのだ。
免許のない私にはいまさら真似できないな。…こちらは身軽にして鉄道・バスで味わおう。
以前、『より自然を味わいたいのなら、自分で車を運転することです』と言われたことがある。目から鱗だった。
究極は、きっとそれなのだろうな。

イングランド西部に広がる大原野…ダートムア…デヴォン~ このあたり行ってみたい。「ムーア」…魅かれる。
もう想像が膨らんでしまっている。クリスティ自身にもドイルの作品にも関係のある場所、でもある。
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